一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 賃金改定について

私たち農家は、最低賃金の上昇に直面しています。10月には、労働者への支払いを増やさなければならないのですが、農協を通じて出荷する私たちには、販売価格を決める権限がありません。これは、経費が増える一方で、買い手が市場価格を支配している現状では、私たちの利益がどんどん減っていくことを意味します。私たちは、生産コストの増加に対応するために、価格交渉の余地を持たないというジレンマに直面しています。この状況は、私たちの生計を脅かし、農業を続ける意欲にも影響を与えかねません。

私たちの多くは、農業を通じて地域社会に貢献し、国内の食料自給率の向上を目指しています。しかし、最低賃金の上昇は、私たちの努力を無にする可能性があります。私たちは、労働者に公正な賃金を支払うことの重要性を理解していますが、同時に私たちの事業の持続可能性も考慮しなければなりません。私たちの多くは、小規模な家族経営であり、大規模な農業企業と比べて、経済的な柔軟性が限られています。このような状況では、最低賃金の上昇は、私たちにとって大きな負担となります。

私たちは、政府や関連機関に対して、農家の現状を理解し、支援策を講じるよう求めています。例えば、最低賃金の上昇に伴うコスト増を補うための補助金や、農産物の価格決定における農家の発言権の強化などです。また、消費者に対しても、国産農産物の価値を理解し、適正な価格で購入することの重要性を訴えています。私たち農家が安定した収入を得ることができれば、質の高い農産物を提供し続けることができるのです。

最低賃金の上昇は、私たち農家にとって複雑な問題です。一方で、労働者の生活水準の向上を目指すことは社会全体の利益につながります。しかし、他方で、私たちのような生産者の経済的な持続可能性を脅かすことにもなりかねません。私たちは、この問題に対するバランスの取れた解決策を見つけるために、政府、消費者、そして農協と協力していく必要があります。私たちの声が聞かれ、私たちの努力が報われることを願っています。

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江俣 利治

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