これまでの記事では、創業時に利用する借入については、まずは日本政策金融公庫への相談をお勧めしてきました。
しかしながら、それでも銀行や信用金庫など、日本政策金融公庫以外の金融機関からの創業融資を検討されている方もいらっしゃると思います。そのような方に向けて、日本政策金融公庫以外の選択肢を紹介していきたいと思います。
日本政策金融公庫以外からの創業融資とは?
創業融資は、日本政策金融公庫のみの融資制度ではなく、民間の金融機関でも取り扱っています。中には「創業デスク」「創業サポートセンター」のように専門の窓口を設けている金融機関もあります。
金融機関の種類としては、三菱UFJ銀行やみずほ銀行、三井住友銀行といったいわゆるメガバンク、横浜銀行や千葉銀行といった地方銀行、城南信用金庫や多摩信用金庫など信用金庫などが考えられます。この中でも、創業融資といった観点から考えると、①信用金庫、②地方銀行の順に選択肢として検討されるのが良いと思います。
地方銀行 | 信用金庫 |
・地域における金融インフラの中心的存在
・中堅、中小企業へ金融支援 ・事業成長に有用な金融商品をそろえている |
・より高い地域密着度
・中小、零細企業が中心 ・丁寧な対応やヒアリングをしてくれる事が多い |
インターネットバンキングや外国送金など決済性の高さは、金融機関の規模が大きくなるほど便利になる傾向はありますが、創業時など、実績が乏しいなかでの融資を考えると、より丁寧な対応をしてくれる信用金庫での相談がおススメとなります。
信用保証協会を利用することがほとんど
民間の金融機関で創業融資を借りる場合、信用保証協会による保証を必要とすることがほとんどです。
保証協会付きの融資とすることで、まだ信用の少ない創業希望者や個人事業主、中小・零細企業は借り入れをしやすくなります。
また金融機関としても、万が一返済ができなくなった時も、信用保証協会が代わりに返済をしてくれるため、貸し倒れのリスクを抑えることができます。
ただし、信用保証協会も公的な機関ではあるものの無料で保証してくれるわけではなく、金額や借入期間に応じた保証料の支払いが必要となります。これが民間の金融機関で借りる場合に、金利に加えて必要な費用となります。
信用保証料については、東京信用保証協会の「信用保証料簡易シミュレーション」ページなどで、試算することができます。
自治体によっては保証料の補助制度があるかも
事業を行っている都道府県や市区町村によっては、「制度融資」というものがあり、そのような制度を活用することで、保証料が割引や補助されることがあります。自治体によって異なりますが、保証料の一部を負担してくれる場合があるため、日本政策金融公庫以外での資金調達を検討している場合は、必ず確認していただきたいと思います。
例)「神奈川県中小企業融資制度のしおり」神奈川県ホームページより
また、このような制度融資を創業時に利用するにあたっては、各自治体が実施している「特定創業支援事業」を確認するようにしてください。特定創業支援事業とは、創業希望者や創業して間もない方を支援するために 定められた国・自治体による支援事業であり、地域における創業・起業の促進によって、日本における産業を活発化させること目的として創設されました。
例えば、横浜市では、特定創業支援事業の一環として、所定のセミナー等を受講することで、融資利率が1.9%から1.5%に減額され、保証料の全額補助を受けることもできます。
その他にも特定創業支援事業の認定を受けることで、法人設立時の費用が一部減免されたり、事業開始のかなり前(6か月)から創業融資の相談が出来たり、日本政策金融公庫での融資利率の引き下げや各種補助金・助成金の利用が出来たりします。
特定創業支援事業は、市区町村レベルで実施しておりますので、必ず事業を行っている「市区町村名+特定創業支援事業」とWEB検索するようにしてください。
保証協会利用の流れ
一般的な、信用保証協会の利用の流れは以下のとおりとなります。
- 中小企業者は、お取引のある又は最寄りの金融機関に、融資の相談・申込みを行います。
- 金融機関は融資の審査後、管轄の信用保証協会に保証を依頼します。
- 信用保証協会は、保証の審査後、保証を決定します。
- 金融機関は融資を実行します。
信用保証協会が相談を受けてくれるケースもありますが、一般的にはまず金融機関に相談していただき、金融機関から保証の依頼を信用保証協会にしていただくことがほとんどです。
信用保証協会の審査とは
保証協会による保証付きの融資を利用するためには、信用保証協会の所定の審査に通過しなければなりません。つまり金融機関からの融資審査に加え、信用保証協会の保証審査にも通過しなければ、保証付き融資を受けられないこととなります。そのため、民間の金融機関での創業資金の調達を検討している方は保証協会の審査ポイントを押さえた事業計画等の作成が必要となります。
創業計画書の書式は、日本政策金融公庫のものとは異なりますが、基本的な構成要素は同一となります。
1.事業概要
2.創業準備の着手状況
3.必要な資金および調達の方法
4.収支計画
5.販売・仕入先
6.借入金等状況
7.その他
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まとめ
初めての融資申し込みは、多くの情報収集と準備が必要ですが、適切な計画と専門家のアドバイスを活用することで成功の確率を高めることができます。事業計画書の作成や面談準備をしっかりと行い、自信を持って融資申請に臨みましょう。
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