エラーメッセージによる情報露出について説明していきます。
■概要
エラーメッセージによる情報露出は、システムやアプリケーションがユーザーに対してエラーメッセージを表示する際に、攻撃者にとって有用な情報が露出してしまう脆弱性です。エラーメッセージが適切に管理されていないと、攻撃者がその情報を利用してシステムの脆弱性を特定し、不正なアクセスや攻撃を試みる可能性があります。
■想定される被害
エラーメッセージによる情報露出によって、以下のような被害にあう可能性があります。
どのような被害を受ける可能性があるかあらかじめ把握しておき、攻撃を受けないように対策を検討することが必要です。
アプリケーションの構造や内部情報が明らかになる:使用しているサーバー、データベース、フレームワークのバージョンや設定情報が明らかになると、攻撃者はこれに基づいて特定の脆弱性を悪用できます。
ブルートフォースや辞書攻撃が容易になる:認証関連のエラーメッセージが詳細すぎると、攻撃者が存在するユーザー名を絞り込みやすくなり、攻撃が効率化します。
攻撃の足掛かりになる:特定のエラーメッセージが返されることで、攻撃者はシステムが予想通りに動作していることを確認でき、次の攻撃ステップを決定しやすくなります。
■対策
エラーメッセージによる情報露出の対策として挙げられるものは以下のようなものとなります。
・エラーメッセージは「エラーが発生しました」「入力が正しくありません」など、詳細を含まない一般的な内容に留めるようにする。
・詳細なエラー情報は内部のログにのみ記録し、一般ユーザーには簡潔なエラーメッセージを表示するようにする。
・本番環境ではデバッグモードを無効にし、開発環境やテスト環境でのみ詳細なエラーメッセージを有効にする。