不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)が21日発表した10月の中古マンションの平均希望売り出し価格は、東京23区で前月比3.2%高の70平方メートル当たり8309万円となった。行政区別では千代田区が最も高く、1億9799万円と2億円に迫ってきた。半面、周辺の埼玉県と千葉県、神奈川県はそろって下落。都心部の独歩高が鮮明になっている。
調査は事務所や店舗用を除いた専有面積が30平方メートル以上のファミリータイプの物件が対象になる。
都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)は前月比2.9%高の1億3800万円。千代田区に次いで高かったのは港区の1億8390万円だった。都心は富裕層や法人などが主な買い手となり、高額物件が快調に売れ続けている。
23区で流通しているマンションは10月時点で1万2416戸。ピークだった23年3月から20.6%減っている。
水準は低く、相場は当面、強基調で推移していきそうだ。
首都圏全体では前月比1.1%高の4864万円だった。周辺3県がいずれもわずかに下落したことで、上昇幅が抑えられた。
3県がそろって値下がりするのは7カ月ぶり。一般家庭など実需層が中心のマーケットで、これまで続いた価格高騰や住宅ローン金利の上昇への懸念などから需要が鈍っている。「都心以外の市場は調整局面に入っている」状況です。