一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 「思考停止」

皆様いかがお過ごしでしょうか。

2024年の最後の投稿となりました。

「思考停止」に関連して、かなり前に知人から聞いた話を思い出したので記します。

 

 

ある商人が、年老いた狡猾な高利貸しからお金を借りました。しかし、返すことができません。商人はあるとき、高利貸しのもとへ娘を伴って訪れ、返済の猶予をお願いしました。

 

すると高利貸しはこの親子に、「最後のチャンスだ」と、あるひとつの申し出をしてきました。

「この袋の中に、白い石と黒い石を1つずつ入れる。それをお前の娘に引かせてあげよう。白い石が出たら、借金は帳消しにしてやる。黒い石が出たら、借金を返すか、それができないなら、娘を差し出せ!」

 

ところが、高利貸しが袋に入れたのは、2つとも黒い石でした。そして、それを娘は見てしまいます。どちらの石を引こうとも、娘は嫁がなくてはなりません。

 

絶体絶命のピンチです。この後、娘はどういう行動を取ったでしょうか?

 

娘は袋から引いた石を、まさにそのときに、わざと石を落としました。

そして、こう言います。「あっ、石がどこかにいってしまったわ!でも、袋の中にはもうひとつ、石が残っていましたよね?それを確認すれば、私が引いた石の色がわかりますよね??」

 

(ちょっと出来過ぎな話ですが…)

もちろん、袋の中に入っていたのは黒い石です。2つとも黒い石だったのですから当然です。そこで、娘が引いたのは白い石ということになり、商人の借金は帳消し。娘も、高利貸しに嫁がなくて済みました。

 

私たちの多くは、こうした状況に陥ったとき、「石を引く」という行為の一点にばかり意識を向けてしまいがちですよね。

しかし、黒石を引いたら都合が悪い状況で最も考えるべきは、「黒石を引かないようにするには、どうすればいいのか?」という点なのです。

 

「思考停止状態」から離れるためには、このような方法も有効だと気付かされるお話でした。

 

 

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鈴木 信一

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