一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

基幹システム更改の渦中にいる立場で、2~3年前に「オンプレ回帰」の波を耳にすることがありました。
「クラウドだと想定外のコストが発生する」「安定稼働とコスト低減を両立するにはオンプレも有力な選択肢」という声が挙がっていたのを記憶しています。

今年は、ある大規模基幹システムの更改に携わり、企画・提案・クロージングを進めました。このシステムは右肩上がりのトランザクション量を抱える中、来年から本格的な開発がスタートします。

提案活動を通じて気づいたのは次のことです:

 

■IAサーバや商用UNIXの限界
サーバー性能やスループットをスケールさせるのに高額なコアスイッチが必要で、特に10Gbps以上のポートを調達するコストは企業単位では不相応です。これらはもはやデータセンターやクラウド事業者向けの仕様だと感じました。

 

■代替手段の制約
IAサーバや商用UNIXで低コストを実現するにはSDN導入が有効ですが、それでもクラウドの手軽さや性能、スループットには及びません。

 

■ホスト型の優位性
オンプレを維持する場合、z/Linuxなどホスト型システムでの垂直統合が効果的です。特に内部バスを用いた通信は高速で、サーバ間通信の課題を解決します。

 

最終的に、「コスト低減と高性能を両立するにはA.クラウドシフト、B.ホストに垂直統合の2択」という結論に至りました。そして今回のプロジェクトでは、クライアントのロードマップに最も適合する「クラウド」を選択しました。

この決定は、特定業界における「クラウドシフトの波 その2」を引き起こす可能性を秘めています。
来年からはプロジェクト全体を支援する立場で、この挑戦を成功に導きたいと思います。

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