一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 「CLUSTERPRO X」について

■データベースの可用性を高める「CLUSTERPRO X」

いまやシステムの停止はそのままビジネスの停止を意味し、時には企業の死活問題
にまで発展することさえあり得る。
システムの根幹をになうデータベースには、以前にも増して高可用性が求められる
ようになってきた。
こうしたニーズに応えるべく、NECのHAクラスタリングソフトウェア「CLUSTERPRO X」
では、単なるプロセス監視のレベルを超えてデータベースの可用性を大幅に向上する
ための強力な監視機能を用意している。

 

■高可用性を追求するHAクラスタリングソフトウェア

データベースの障害対応のための1つの方法としてバックアップ/リカバリが
挙げられるが、それだけでは十分な可用性は得られない。
障害発生後、テープやディスクなどに保存されたバックアップデータをリストア
する際にはかなりの時間を要し、その間はシステムが完全に停止してしまうからだ。

データベース、ひいてはシステム全体の可用性を向上するためには、万一の
障害発生時にダウンタイムを最小限に食い止めること、つまり障害発生から
可能な限り短時間でシステムを復旧することが必要となる。
それを実現する代表的な技術といえるのが、「HA(High Availability)クラスタ」である。

HAクラスタは、複数台のサーバでクラスタシステムを構成し、現用系サーバで障害が
発生した場合には速やかにその処理を待機系サーバに切り替える(フェイルオーバーする)
ことで、ダウンタイムを最小限に抑える。

ほかにも高可用性を追求した結果として、現用系だけでなく待機系の異常も常に
監視する機能を搭載。
フェイルオーバーも高速で、障害を検出してからおおむね1分前後で待機系サーバに
切り替えて業務を継続できる。

■Database Agentによる監視でハングアップやストールも検出

CLUSTERPRO Xの標準機能では、データベースに対してプロセスやサービスの存在を監視する。
これによって、プロセスの消滅すなわちデータベースの異常終了を検出でき、検出した
場合には速やかにフェイルオーバーを行う。
これはいわゆる「死活監視」で、ほかのクラスタソフトでも同様の機能を実現している
ものはあるだろう。

CLUSTERPRO Xでは、この標準機能に加え、さらにデータベースの可用性を高めるための
仕組みとして、「Database Agent」という監視オプション機能を用意している。

Database Agentは、データベースに対して定期的にSQLを発行。
CREATE TABLE、INSERT、SELECT、UPDATE、DROP TABLEといった、通常のデータベースを
操作するうえで基本となるコマンドを一通り投げて、反応を確認する。
つまり、クライアントからアクセスしたときと同じ状態を作り出し、データベースが
正常にレスポンスを返せる状態なのかというところまで監視するというわけだ。
これによって、プロセスの死活監視だけでは見つけられないデータベースのハングアップや
ストール(ダウンしていないが、パフォーマンスが極端に低下している状態)などの
障害も検出できるようになる。

もちろん高可用性のためとはいえ、あまりにも頻繁にデータベースにアクセスし過ぎると
業務に支障を来す恐れもあるので、監視間隔やタイムアウトの幅はユーザー側で自由に
チューニング可能。
例えば、バッチ処理を行う時間帯だけはタイムアウト値を伸ばすといった調整も行える。

また、こうした設定はマネージャ画面のGUIでウィザードに従って項目を入力していく
だけでよい。
障害検出時には、このマネージャ画面にエラーコードやエラーメッセージが表示される
ので、障害発生後の対処に活用できる。

Database Agentが監視対象としてサポートするデータベース製品は幅広い。
OracleやSQL Server(Windowsのみ)、DB2、PowerGresといった主要な商用データベース
製品を網羅するほか、オープンソースデータベースのPostgreSQLやMySQL(Linuxのみ)
にも対応している。

 

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久米 大輔

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