1. ファイル・ディレクトリ操作
1-1. pwd (現在のディレクトリを表示)
- 概要
現在作業しているディレクトリ(カレントディレクトリ)のパスを表示します。
例: pwd
出力例: /home/username
1-2. ls (ディレクトリの内容を一覧表示)
- 概要
指定したディレクトリ内のファイルやディレクトリの一覧を表示します。オプションを付けることで隠しファイルを含めたり、詳細情報を表示したりできます。
例: ls
ls -a (隠しファイルを含めてすべて表示)
ls -l (詳細情報を表示: パーミッション、所有者、サイズなど)
ls -lh (サイズを人間が読みやすい形で表示)
1-3. cd (ディレクトリを移動)
例: cd Documents (Documentsフォルダに移動)
cd ~ (ホームディレクトリに戻る)
cd .. (一つ上のディレクトリに戻る)
1-4. mkdir (ディレクトリを作成)
例: mkdir test_dir (「test_dir」という新しいディレクトリを作成)
mkdir -p parent/child_dir (複数階層のディレクトリをまとめて作成)
1-5. rm (ファイル/ディレクトリを削除)
- 概要
ファイルやディレクトリを削除します。ディレクトリを削除する場合は「-r」オプションを付けます。誤って削除すると復元が難しいため、利用時は注意が必要です。
例: rm sample.txt (ファイル「sample.txt」を削除)
rm -r sample_dir (ディレクトリ「sample_dir」内を再帰的に削除)
rm -rf sample_dir (確認プロンプトを出さずに強制削除)
1-6. cp (ファイル/ディレクトリをコピー)
- 概要
ファイルやディレクトリをコピーします。ディレクトリをコピーする場合は「-r」オプションを付けます。
例: cp sample.txt backup.txt (「sample.txt」を「backup.txt」という名前でコピー)
cp -r original_dir copy_of_dir (ディレクトリ「original_dir」を「copy_of_dir」としてコピー)
1-7. mv (ファイル/ディレクトリを移動/リネーム)
- 概要
ファイルやディレクトリを移動します。ファイル名やディレクトリ名の変更にも使います。
例: mv sample.txt /home/username/ (ファイル「sample.txt」を「/home/username/」に移動)
mv oldname.txt newname.txt (ファイル名の変更)
2. テキストファイル閲覧・検索
2-1. cat (ファイルの内容を表示)
- 概要
ファイルの中身を標準出力に表示します。小さめのテキストファイルを参照するのに便利です。
例: cat sample.txt
2-2. less (ページャでファイルを閲覧)
- 概要
大きなファイルを1ページずつ読み込むページャです。上下矢印キーでスクロールできます。
例: less largefile.txt
2-3. head (ファイルの先頭部分を表示)
- 概要
ファイルの先頭部分を表示します。オプション「-n」で行数を指定できます。
例: head sample.txt (先頭10行を表示)
head -n 20 sample.txt (先頭20行を表示)
2-4. tail (ファイルの末尾部分を表示)
- 概要
ファイルの末尾部分を表示します。オプション「-f」を付けることで、更新された内容がリアルタイムに表示されます(ログ監視などに便利)。
例: tail sample.txt (末尾10行を表示)
tail -n 20 sample.txt (末尾20行を表示)
tail -f /var/log/syslog (ファイルの更新を監視)
2-5. grep (文字列検索)
- 概要
指定した文字列を含む行を検索し表示することができます。正規表現を使った複雑な検索にも対応します。
例: grep “Hello” sample.txt (「sample.txt」から「Hello」という文字列を含む行を検索)
grep -i “hello” sample.txt (大文字小文字を区別せず検索)
grep -r “keyword” /var/log/ (ディレクトリを再帰的に検索)
3. システム操作
3-1. ps (プロセスの一覧を表示)
- 概要
現在実行中のプロセスを表示します。オプションを組み合わせて、詳細情報や他ユーザーのプロセスも確認できます。
例: ps (自分のシェル上で実行中のプロセス一覧)
ps aux (全ユーザーのプロセスを詳細表示)
ps aux | grep python (python関連のプロセスをフィルタリング)
3-2. top (リアルタイムなプロセスモニタリング)
- 概要
CPUやメモリなどシステムリソースをリアルタイムで監視できます。上位に並ぶプロセスが資源を占有しているほど負荷が高くなっています。
例: top
3-3. kill (プロセスを終了)
- 概要
プロセスID(PID)を指定してプロセスを終了させます。強制終了には「-9」を使いますが、データが破損する可能性があるので慎重に。
例: kill 12345 (プロセスID 12345に終了シグナルを送る)
kill -9 12345 (強制終了)
3-4. df (ディスク容量の使用状況)
- 概要
マウントしているディスクの使用状況を確認します。オプション「-h」で容量をわかりやすく表示できます。
例: df (ディスクの使用状況一覧)
df -h (MBやGB単位で表示)
3-5. du (ディレクトリやファイルのサイズを表示)
- 概要
指定したディレクトリ/ファイルの容量を表示します。大きいファイルやディレクトリを探すのに便利です。
例: du directory_name (ディレクトリの容量を表示)
du -sh directory_name (わかりやすい単位で合計サイズを表示)
4. その他便利コマンド
4-1. find (ファイル/ディレクトリ検索)
- 概要
指定したディレクトリ以下から、条件に合うファイルやディレクトリを検索します。オプションが多いので、よく使うパターンを覚えておくと便利です。
例: find /home -name “sample.txt” (/home以下で「sample.txt」を検索)
find . -type d -name “project*” (カレントディレクトリ以下で「project」で始まるディレクトリを検索)
4-2. history (コマンド履歴を表示)
- 概要
これまでに入力したコマンド履歴を表示します。「!」で履歴を再実行したり、「grep」と合わせて過去コマンドを検索したりできます。
例: history
history | grep git (gitが含まれるコマンド履歴を検索)
4-3. clear (画面をクリア)
- 概要
ターミナルの画面をクリアします。長い作業ログなどを一旦消して見やすくしたいときに便利です。
例: clear
4-4. chmod / chown (ファイル/ディレクトリのパーミッションや所有者を変更)
- 概要
chmodはファイルやディレクトリのパーミッション(アクセス権)を変更、chownは所有者やグループを変更します。サーバーや開発環境で頻繁に使います。
例: chmod 755 script.sh (script.shを「所有者に読み書き実行、その他は読みと実行のみ」に変更)
chmod +x script.sh (実行権限を付与)
chown username:group file (「file」の所有者を「username」、グループを「group」に変更)
まとめ
今回はLinuxでよく使う基本的なコマンドを紹介しました。どれも日常的によく使うコマンドなので、まずはここで挙げたコマンドをしっかり覚えておけば、作業効率がぐっと上がります。慣れてくるとさらに便利なオプションや応用技も自然と身についてきますので、ぜひ実際に使いながら身につけていきましょう。
ポイント:
- 誤って削除することがないように、特に「rm -r」や「rm -rf」は慎重に扱いましょう。
- 大量の出力を扱うときは「less」や「grep」などを組み合わせると効率的です。
- 「history」コマンドを活用すると、同じコマンドを繰り返し打つ手間が省けます。
The following two tabs change content below.