一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 「クラウドコンピューティング」について

クラウドコンピューティングは、インターネットなどのコンピュータネットワークを経由して、
コンピュータ資源をサービスの形で提供する利用形態である。
略してクラウドと呼ばれることが多い。

 

<用語>
商業的に確立された定義としてのクラウドコンピューティングは、2006年にGoogleの
CEOであったエリック・シュミットにより提唱された。

しかし、この当時は具体的なサービスとしてのクラウドコンピューティングは広く
使われることはなく、すべてのコンピュータやネットワークや通信の能力が低過ぎ、
限定された実装と試験サービスに留まっていた。

前史として、「クラウド」(雲)に類似した図形は、1977年 ARPANETや、
1981年 CSNETで、コンピュータ機器のネットワークを表すものとして使用されており、
両者は後にインターネットに発展した。

「クラウド」の用語はインターネットのメタファーとして使用されてきている。
また「クラウド」の用語は、1993年 分散コンピューティングの分野でも使用されていた。

これらは単なるコンピュータネットワークの記号としての原始的な定義であり、Webサービス
普及以後のものとは定義が大きく異なる。

 

<概要>
従来のコンピューティングは利用するハードウェア、ソフトウェア自体を利用者が必要なだけ
購入や利用契約をしていた(それらの資源は構内でオンプレミスとして設置されたり、遠隔地の
データセンタに設置された)。

対して当方式ではハードウェアやソフトウェアそのものではなく利用した量や予定される量で
利用契約がされる。

従来のコンピューティングでは、購入、契約したハードウェアの限界を超えると動作が遅くなったり、
ストレージの容量を超えたらそれ以上の記憶は出来ないが、クラウドコンピューティングでは、
契約を変更したり超過した資源の使用量を支払うことによって業務を継続できる。

ユーザーがインターネットなどのネットワークを経て、外部組織が保有する情報システムから
各種の情報処理サービスを受ける方法を取る。

ユーザー側に必要なものは最低限の接続環境とパーソナルコンピュータや携帯情報端末などの
クライアント、そしてサービス利用料金である。

実際に処理の大半を実行するコンピュータ群(サーバ、ストレージ等)はサービス提供事業者側の
データセンター内に設置されており、それらの資産管理や運用保守などはサービス提供事業者側が
実施する。

現代的なクラウドのユーザーインターフェースは主にウェブアプリケーションの形式で提供される。
この形態で提供されるサービスを「クラウドコンピューティングサービス」または単に
「クラウドサービス」という。

そのサービス事業者を「クラウドサービスプロバイダ」または単に「クラウドプロバイダ」とも呼ぶ。

なお、新たなパラダイムとして「スカイコンピューティング」、ネットワークがよりデバイスに
近い場合のサービスを、「フォグ・コンピューティング」や「エッジ・コンピューティング」という。

エッジはネットワークの外縁であり、コンテンツデリバリネットワーク事業においてユーザーの
アクセスに対して斡旋される最寄りのミラーサーバが典型例である。

幅広いネットワークアクセス、迅速な順応性、測定されたサービス、オンデマンドのセルフサービス、
およびリソースプーリングは、重要な特性としてアメリカ国立標準技術研究所 (NIST) によって
定義されている。

NISTは、以下のように説明する。

ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、サービスなどの構成可能な
コンピューティングリソースの共用プールに対して、便利かつオンデマンドにアクセスでき、
最小の管理労力またはサービスプロバイダ間の相互動作によって迅速に提供され利用できるという、
モデルのひとつである。

このクラウドモデルは可用性を促進し、5つの基本特性と、3つのサービスモデルと、4つの配置モデル
によって構成される。

フルクラウド方式であれば、端末とインターネット接続環境が用意されていれば良く、社内IT設備を
簡素化することが可能になる。
従って、機動力の有る中小企業を中心に、軽量ノートPCからクラウド上の業務システムに接続して
業務を行う方法を選択し、社内IT設備を簡素化する企業が急速に増加中である。

フルクラウド方式の採用により働き方の多様化が可能になり、リモートワークの推進にも役に立っている。

 

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久米 大輔

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