Linuxの歴史について調査してみました。
Linuxは1991年にフィンランドの大学生**リーナス・トーバルズ(Linus Torvalds)**によって開発されました。
① UNIXの誕生(1969年)
Linuxのルーツは1969年にAT&Tベル研究所で開発されたUNIXにあります。UNIXは高い安定性とマルチタスク機能を持ち、研究機関や企業のサーバーとして普及しました。
② MINIXの登場(1987年)
1987年、オランダのアンドリュー・タネンバウム教授が、教育目的でUNIX互換のOSMINIXを開発しました。ただし、当時のMINIXは商用ライセンスが必要で制約がありました。
③ Linuxカーネルの開発(1991年)
フィンランドの大学生リーナス・トーバルズは、MINIXの制約を嫌い、自分でUNIXライクなOSのカーネルを開発し始めました。そして、1991年にインターネット上でLinuxカーネルのソースコードを公開しました。
④ GNUと組み合わせてOSとして完成
Linuxはカーネル(OSの核となる部分)のみであり、それ単体では使えません。ちょうど同じ頃、フリーソフトウェア財団(FSF)が開発していたGNUプロジェクトのソフトウェア(コンパイラ、シェル、ライブラリなど)と組み合わせることで、「GNU/Linux」というOSとして機能するようになりました。
⑤ ディストリビューションの登場(1993年~)
LinuxカーネルとGNUソフトウェアをパッケージ化し、インストールしやすくしたものを「ディストリビューション(ディストロ)」と呼びます。1993年にSlackwareやDebianが登場し、その後もRed Hat(RHEL)、Ubuntu、CentOS、Archなど多くのディストロが生まれました。
Linuxが普及している理由について
Linuxがここまで広く普及した理由はいくつかあります。
Linuxはオープンソースとして公開されており、誰でも無料で利用・改良できます。
これにより企業や個人が自由にカスタマイズし、用途に応じたOSを作ることができました。
Linuxはサーバー向けOSとして設計されており、安定性が高く、長時間稼働しても問題が起こりにくいです。また、セキュリティが強固であり、ウイルスの被害も少ないため、企業のサーバーやクラウド環境で多く採用されています。
Linuxは軽量なディストリビューション(例: Alpine Linux、Puppy Linux)もあり、古いPCや組み込み機器でも動作可能です。これにより、IoT機器やスマート家電にもLinuxが使われています。
Linuxはカーネルや各種ソフトウェアを自由に組み合わせてカスタマイズできます。開発者や企業は、自分たちのニーズに合わせた環境を構築できます。
AWSやGoogle Cloud、Azureなどのクラウドサービスの多くがLinuxをベースとしています。また、AI/機械学習の分野でも、Linux上で開発されることが一般的です。
Googleが開発したAndroidは、Linuxカーネルをベースに作られています。
これにより、世界中のスマートフォンの大部分でLinuxが動作していることになります。
オープンソースの開発コミュニティに加え、Red Hat、Canonical(Ubuntu)、Google、IBMなどの企業がLinuxを積極的に支援し、開発を続けています。
このように、Linuxは柔軟性と信頼性の高さから、サーバー・クラウド・スマートフォン・IoTなど幅広い分野で利用され、現在も成長を続けています。