一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

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【消費税増税】

このアベノミクスに冷水を浴びせて逆風となったのが、2014年の消費税の増税であった。安倍総理自身は増税よりむしろ減税をしたかったくらいだが、増税包囲網を敷かれ、抗しきれなかった。

財務省に説得された多数の増税派議員、消費税の可否を検討する集中点検会合での7割以上の有識者が増税賛成であるという状況では、総理一人の力ではどうにもできない。

元財務官僚であり、日本維新の会所属の足立康史氏などによると、財務省では、増税することが出世の道になるという。上司や同僚から褒められ、時には国士扱いにされるほどだ。出世を目指さない者は何のためにいるのか、存在理由自体がない。結果、国が滅んでも、増税することが財務省の目的なのだそうだ。

増税のために、様々なデータを用意して議員を洗脳する。民主党の野田佳彦総理も、当初は消費増税には反対であったが、やがて「消費増税に政治生命をかける」とまで言うようになっていた。そして自民公3党合意で成立させたのが消費増税法である。

安倍政権での消費増税は、民主党時代に法律で決められた政治日程であった。5%から8%へ、3%上げただけで、アベノミクス効果で得られたはずのGDP20%が失われたと言う。これは、リーマンショックを上回る打撃で、アベノミクスは死にかけた。

この教訓から、10%への2%増税は、二度延期する。延期反対の声を抑え込むため、国民に真を問うとして二度の総選挙を行い、安倍政権はこれに圧勝する。

しかし最終的に2019年、10%への増税が行われる。モリカケなどというでっち上げ疑惑で安倍政権の体力が削がれ、もはや阻止しきれなくなったのだ。財務省が、この疑惑に一枚噛んでいると安倍総理は睨んでいたようだ。

さらに2020年には、新型コロナウイルスのパンデミックで、日本の輸出は54%、民間消費は29%も下落し、大きな打撃となった。

こうして、アベノミクスは完遂するに至らなかった。

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