こんにちは!
前回は症状別で腰痛についてお話をしました。今回は膝痛についてお話していきます。
膝痛の原因は多岐にわたりますが、いくつかの主要な要因に分類できます。膝は体重を支える重要な関節であり、長時間の使用や過度な負荷、年齢による変化などが痛みの原因となります。以下に、膝痛の主な原因を紹介します。
1. 変形性膝関節症(膝の関節のすり減り)
変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減り、骨と骨が擦れ合うことによって発生する病気です。年齢を重ねると、膝関節の軟骨が摩耗して、関節に痛みやこわばりを引き起こします。
原因:
加齢による軟骨の劣化
過度な体重負荷
関節の使い過ぎや不均等な動き
症状:
歩行時や階段の上り下りで痛み
膝のこわばりや動かしづらさ
長時間立っていると痛みが増す
2. 膝靭帯の損傷(前十字靭帯や後十字靭帯)
膝にはいくつかの重要な靭帯があり、その中でも 前十字靭帯(ACL) や 後十字靭帯(PCL) は膝の安定性に大きな役割を果たしています。これらの靭帯が切れると、膝が不安定になり、痛みを引き起こします。
原因:
スポーツによる急激な方向転換やジャンプ
外的衝撃(例えば、事故やスポーツでの接触)
症状:
急激な膝の痛み
膝の不安定感やぐらつき
腫れや内出血
3. 半月板損傷
膝関節には 半月板 という軟骨があり、関節の衝撃を吸収する役割を担っています。半月板が裂けると、膝に痛みや違和感が生じます。
原因:
急激なひねりやねじれ動作
長時間膝に負荷をかけ続けること
高齢化に伴う軟骨の劣化
症状:
膝の内側または外側に痛み
関節の引っかかる感覚
膝を動かすと音がすることがある(カクカク)
4. 膝蓋骨(膝のお皿)の障害
膝蓋骨は膝の前面にある小さな骨で、膝の動きに重要な役割を果たします。膝蓋骨に関連する障害には 膝蓋骨軟化症 や 膝蓋大腿痛症候群(膝蓋骨周辺の痛み)があります。
原因:
運動やスポーツによる膝蓋骨への過度の圧力
膝蓋骨を正しく動かさない姿勢や歩き方
症状:
膝の前面、特に膝蓋骨周辺に痛み
膝を曲げると痛みが増す
階段を昇る・降りるときに痛みが強くなる
5. オスグッド・シュラッター病
この病気は主に成長期の子供や若者に見られます。膝の下部の 脛骨(けいこつ) に痛みが生じるもので、膝にかかる過剰な負荷が原因です。
原因:
成長期の骨の成長に対する過剰な運動負荷
サッカーやバスケットボールなど、ジャンプや速い動きを多く伴うスポーツ
症状:
膝の下部、脛骨の前面に痛み
激しい運動後に痛みが増す
腫れや圧痛が現れることがある
6. 腸脛靭帯炎(ITバンド症候群)
腸脛靭帯は、太ももの外側にある筋肉を膝までつなぐ組織です。この腸脛靭帯が膝を通過する際に、過度な摩擦が生じると炎症が起こり、膝に痛みを感じます。
原因:
長時間のランニングやサイクリング
不適切な運動フォームや過度のトレーニング
症状:
膝の外側に鋭い痛み
歩行やランニング時に痛みが強くなる
特に膝を曲げた状態で痛みが増す
7. 膝の腱炎(特に大腿四頭筋腱炎)
膝の周りには筋肉や腱が多数存在し、その中でも 大腿四頭筋腱(太ももの前面の筋肉の腱)に炎症が起きることがあります。これは膝を伸ばす動作が繰り返されることにより生じる痛みです。
原因:
繰り返しの運動や過度な膝の使用
競技スポーツや重い物を持ち上げる作業
症状:
膝の前部に痛みや圧痛
膝を伸ばすと痛みが増す
運動後に痛みが強くなる
まとめ
膝痛の原因は非常に多岐にわたりますが、原因を特定することで最適な治療方法を見つけることができます。膝痛が長引いたり、生活に支障をきたすようであれば、早期に専門医の診察を受けることが重要です。予防としては、適切な運動、体重管理、膝を守る靴の選択、姿勢の改善などが効果的です。
靭帯の損傷や半月板の損傷などの急性外傷の場合は整形外科の受診も勧めますが、その他の筋肉や筋膜の緊張、癒着が原因の場合はその状態を改善する為の治療が求められます。
場合によってはマッサージや鍼灸治療を組み合わせることで状態は改善していくでしょう。