◇概要
Cursor と Cline は、どちらも AI を活用した開発支援ツールです。
どちらも OpenAI の技術を活用しており、コーディングにおける生産性の向上を目的としていますが、それぞれの役割には明確な違いがあります。
Cursor は VSCode をベースとしたAI統合型コードエディタ、Cline はターミナルベースで AI を活用するCLI ツールです。
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◇Cursorのメリット
•プロジェクト全体の理解に基づく補助
ローカルのコードベース全体にアクセスして、コンテキストに即した提案やリファクタリングが可能。
例えば、「この関数のバグを直して」と入力するだけで、修正を自動化できます。
•VSCodeに近い操作感
多くの開発者が慣れている UI で、すぐに使い始められる。キーボードショートカットも似ており、移行のストレスが少ないです。
•AIチャットとエディタの融合
AIアシスタントと自然に会話しながら、コード補完・生成・リファクタリングが可能。ドキュメント生成やテストコード作成もワンクリックでできます。
•リアルタイムのバグ修正や説明
既存コードの選択→右クリック→「Explain」や「Fix」などを選ぶだけで、AIが文脈に沿った回答を提示。
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◇Cursorのデメリット
• 一部操作がブラックボックス
AIによるコード変更が自動的に行われるため、なぜそのような修正になったのかが不透明な場合も。
• 動作が重くなることがある
ローカルコード全体を解析するため、プロジェクトが大規模になるとパフォーマンスに影響が出ることがあります。
• 有料プランでないと制限が多い
無料プランでは使用可能なトークン数や操作回数が限られており、本格利用には有料版が推奨されます。
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◇Cursorはどんなプロジェクトに向いている?
✅ 向いている
•中〜大規模なコードベースを扱うプロジェクト
•リファクタリングやドキュメント整理が頻繁に発生するチーム開発
•コンポーネントベースのフロントエンド開発(React, Vueなど)
•ChatGPTを日常的に開発に取り入れたいエンジニア
❌ 向いていない
•軽量なエディタで十分な小規模プロジェクト
•オンライン環境で動作させにくいセキュリティ厳重な環境
•AIによる自動修正に不安がある開発スタイル
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◇Clineのメリット
•コマンドラインで完結
Terminal 上でそのまま ai コマンドを使って、質問・提案・コード生成が可能。GUI不要で軽快に動作します。
•どんなツールとも連携しやすい
Vim, zsh, tmux などターミナル中心の開発環境と相性抜群。IDEに縛られず柔軟に使えます。
•素早い回答とスクリプト生成
「このエラーの原因は?」「この shell script を短く書きたい」など、自然な会話で即座にフィードバックが得られます。
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◇Clineのデメリット
•GUI機能がない
ターミナル上のため、視覚的なサポート(構文ハイライトやファイル構造の可視化など)はありません。
•ドキュメント参照や複雑な文脈には不向き
プロジェクト全体の文脈をAIが理解しきれない場合があり、Cursorのような深い解析は難しいことがあります。
•初心者にはやや敷居が高い
ターミナル操作に不慣れな場合、導入や使いこなしに時間がかかることがあります。
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◇Clineはどんなプロジェクトに向いている?
✅ 向いている
•ターミナル中心の開発環境を使うエンジニア
•軽量かつ高速なAIアシスタントを求めている方
•VimやNeovimユーザー
•単発のスクリプト作成、エラー調査、コード生成など
❌ 向いていない
•GUIによる補助や可視化を重視する場合
•プロジェクト全体の構造に関わるコード変更が多いケース
•初学者やAI操作に慣れていないユーザー
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◇まとめ
Cursor は VSCode に近い操作性と深いコード理解を備えた、GUIベースのAI統合エディタです。一方、Cline は軽快かつ柔軟な、CLIベースのAIアシスタントとして、ターミナル操作に特化した開発者にとって強力なツールです。
どちらも OpenAI 技術を活用していますが、用途や開発スタイルに応じて使い分けることで、開発の生産性を大きく向上させることができます。
まずはそれぞれを軽く試してみて、自分の開発スタイルに合った方を選ぶのがおすすめです!
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