軽貨物配送業界は引き続き多忙な状況が続く。3月からの引っ越しシーズンの余波に加え、企業の新年度スタートに伴うオフィス用品や備品の配送需要も根強い。特に新生活を始める個人顧客向けに、家具・家電、小型家財の配送依頼が多く寄せられ、スポット便やチャーター便のニーズが高まっている。
また、4月は新規出店する小売店舗や飲食店向けの納品配送も増加傾向にあるため、時間指定や特殊搬入といった高度なサービスが求められる場面も多い。これに対応するため、多くの配送事業者がドライバーへのマナー教育や、現場対応力の向上を図っている。
一方で、天候は安定してくるものの、春特有の強風や急な雨などによる荷物破損リスクへの備えも欠かせない。また、ゴールデンウィーク(大型連休)を目前に控え、物流量が一時的に増加することを見越して、早めのスケジュール調整や人員配置を行う企業も目立つ。
さらに、2025年4月は物流業界全体で「2024年問題」(時間外労働規制強化)の影響が一段と顕在化する時期でもあり、軽貨物配送でもドライバーの労務管理が厳しく問われる。無理な働き方をさせない体制づくりと、効率的な配送ルート構築が、企業競争力を左右する重要なポイントとなるだろう。