一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

こんにちは、永田です。昨年度実施してきました開発が無事4/7に本番リリースされましたので、今回はその報告をしたいと思います。

前回の投稿では、テストの実施ケースが不足しており、品質に懸念がある、との私見を述べさせていただきました。限られた要員と期間ではそれを解決するのは困難であったため、お客様のご協力を仰ぐことでの解決を図ることを試みました。1つ目はオーナ部門とテスト確認すべきケースについて、想定通りの結果となっているか、実務上問題なく支払いが可能であるか、について評価いただきました。通常業務を行っている中で並行して実施いただきましたので、限られた時間をいただきテスト実施も集中した期間で行うことで対応いただきました。結果としては、根本的な障害は発見されることはありませんでしたが、今回修正していない既存部分の障害をこのタイミングで発見したこと、要件定義の際は検討することができなかったが、実際の結果を見て査定者の気づきとなるようなメッセージが不足していることの気づきがありました。システム部門のテストでは発見することはできない種類の障害であったため、非常に効果のあるテストを実施いただけました。2つ目は今回新規で追加した精査(エラーチェック)の条件網羅、メッセージの表示、該当項目の赤色表示が設計通りに実装されているか、を確認いただきました。結果として、メッセージの表示は問題ありませんでしたが、項目の赤色表示に不備があることが分かりました。ただし、実務上は大きな問題はなく、6月までに対応完了していれば問題ないとの評価をいただきましたので、残課題として管理することで本番カットオーバーは承認を得られるとの確認も取れました。今回の追加でのテスト確認を行ったことで分かったこととしては、最終的に決定した要件定義書がどれなのか認識相違がありました。要件定義を行っている最中に更新を繰り返すことで別の名前で保存された資料が多数存在し、最終版の格納場所の認識相違もあり、テスト結果の障害指摘によりその認識相違に気が付くことができました。書類に関する管理をはじめのうちに合わせておけば発生しなかった障害であるのかもしれませんでした。また、オーナ部門との要件定義の仕方についても疑義があったのではと思われました。実際の業務をシミュレーションしていないと新たに追加されたメッセージの要件は定義されることはなく、もし70~80%のつもりで行っているのであれば、テスト終了後に再度要件定義~設計~開発~テストのスパイラルサイクル開発が必要であることになります。ここが曖昧だったことで発生した事象と思われます。

本番カットオーバーからもうすぐ1ヵ月が経とうとしていますが、まず今回開発した商品は7月からが本稼働となるため事実上まだ評価できない状況となっています。一方既存の商品については影響がないように設計を行ってきましたが、2件本番障害は発生しており、想定通りに作成できていないことが分かりました。この2件についてはともに精査(エラーチェック)の障害でしたが、いずれも十分なテスト工数が設けられていれば気づけたものになります。しかし、会社としても余剰にお金をかけることができないため、ぎりぎりの規模で利益が発生するようにするためには、ここまでまかないきることが難しいのが現状です。そうなると携わるメンバーの気づきに頼らざるをえず、メンバーの教育、成長が今後の鍵になるのではないかと思っています。

今後の投稿ですが、現場の状況報告は保守フェーズになることでこれまでのようなイベントの報告が少なくなってくると思います。それなので、今後は自分の学習や世間のシステム開発におけるニーズなどを投稿していこうかなと思っています。

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永田 裕之

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