2023年の台風13号に伴う大雨で被災した茨城県日立市は、市が管理する河川を対象にした流域治水計画を策定し、2024年3月3日に公表した。流域治水とは、気候変動の影響により激甚化・頻発化する水災害に対応するための新たな治水の考え方である。従来のように河川インフラの整備だけに頼るのではなく、流域全体に関わるあらゆる主体が協働し、多層的に水災害対策を推進していくものである。日立市の「流域治水施策集」にはさまざまな施策が盛り込まれているが、注目すべきは全国で初めて自伐型林業を流域治水に位置づけた点である。