最近再認識した、やはり良い物に慣れた頃にランクを下げると明確に分かる。
最近あった例だと、寿司である。
一般的な回転寿司から、カウンターのみの江戸前寿司まで色々と食べるのだが、ある境界をもって、同じ寿司でも別物と考えている。
おおよそ10,000円を境に、カテゴリが変わるのを再認識した。
約6,000円の寿司コースを食べた時である。
その時に感じたのは、飽く迄も大衆寿司の延長線上に過ぎなかったと思った。
美味なネタをふんだんに使い、一貫がボリューミーに出るが、例えるならば大衆的な高級ブランドで固めただけのイメージ。
10,000円を超える寿司は、知る人ぞ知る名門ブランドをさらりと纏うだけの上品さのイメージ。
暖かい味付きシャリに、仕込みが凝縮されたネタを乗せ、大将がカウンター越しにサッと渡す一連。
上級の味に慣れた頃に中級を味わうことにより、一層上級であることを明確に理解するのを改めて体感した。
何事もそうである。
稼ぐにつれて、また周りに教えてもらうにつれて、年々良い物を習得するが、次第に当たり前となり麻痺する。
自分がどれだけ恵まれている物に囲まれていたか。
足るを知る事により、適度な上質を嫌味なく堪能できる。
蛇足だが、周りではランボルギーニやフェラーリに疲れて、ポルシェに回帰する人が多いのもコレに似ている(かも?)。