AWS WAF(Web Application Firewall)は、Webアプリケーションを保護するためのAWSのマネージドサービスです。一般的なWebの脆弱性や攻撃からアプリケーションを守る役割を果たします。
1. 柔軟なルール設定
SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)などの一般的な攻撃パターンに対して、事前定義されたルールを適用できるほか、独自のカスタムルールも作成可能です。ビジネスニーズに合わせた柔軟な防御体制を構築できます。
2. AWSサービスとの統合
CloudFront、Application Load Balancer、API Gatewayなど他のAWSサービスと容易に連携できるため、既存のAWSインフラに簡単に組み込むことができます。
3. リアルタイムモニタリング
トラフィックの監視とログ記録によって、攻撃の試みをリアルタイムで検知し、迅速に対応することが可能です。CloudWatchと連携することで、詳細な分析も行えます。
1. コスト面の課題
基本料金に加えて、検査するリクエスト数に応じた従量課金が発生します。大規模なトラフィックを持つサイトでは、コストが予想以上に膨らむ可能性があります。
2. 設定の複雑さ
効果的な保護を実現するためには、適切なルール設定が必要です。初心者にとっては学習コストが高く、誤った設定によってレジティメイトなトラフィックもブロックしてしまうリスクがあります。
3. パフォーマンスへの影響
すべてのリクエストが検査されるため、わずかながらレイテンシーが増加する可能性があります。ミリ秒単位の遅延でも重要な場合には検討が必要です。
AWS WAFは、Webアプリケーションを様々な攻撃から保護する強力なツールですが、コストや設定の複雑さなどのトレードオフを理解した上で導入を検討することが重要です。セキュリティ要件とビジネスニーズのバランスを取りながら、適切に活用することで、安全なオンライン環境の構築に貢献します。