NTP サービスのデフォルト設定を変更するには、root でテキストエディターを使用して
/etc/ntp.conf ファイルを編集する。
このファイルは、ntpd とともにインストールされ、Red Hat プールからのタイムサーバーを
使用するデフォルト設定になっている。
5. ブロードキャストまたはマルチキャストサーバーアドレスの追加
送信用のブロードキャストまたはマルチキャストアドレス、つまり NTP パケットをブロードキャスト
またはマルチキャストする宛先のアドレスを追加 するには、ntp.conf ファイルの broadcast
コマンドを利用する。
ブロードキャストおよびマルチキャストの両モードは、デフォルトで認証を必要とする。
broadcast コマンドは以下の形式になる。
broadcast address
ここでの address は、パケットの送信先となる IP ブロードキャストまたはマルチキャストアドレスになる。
このコマンドは、システムが NTP ブロードキャストサーバーとして作動するように設定する。
使用するアドレスは、ブロードキャストかマルチキャストアドレスである必要がある。
ブロードキャストアドレスの場合は、IPv4 アドレス 255.255.255.255 を意味する。
デフォルトでは、ルーターはブロードキャストメッセージを渡さない。
マルチキャストアドレスの場合は、IPv4 Class D アドレスか IPv6 アドレスになる。
IANA は IPv4 マルチキャストアドレス 224.0.1.1 と IPv6 アドレス FF05::101 (サイトローカル) を
NTP に割り当てている。
RFC 2365 Administratively Scoped IP Multicast の説明にあるように、管理者が範囲指定した
IPv4 マルチキャストアドレスも使用可能。
6. Manycast クライアントアドレスの追加
manycast クライアントアドレスを追加する、つまり NTP サーバーの発見に使用する
マルチキャストアドレスを設定するには、ntp.conf ファイルの manycastclient コマンドを利用する。
manycastclient コマンドは以下の形式になる。
manycastclient address
ここでの address は IP マルチキャストアドレスで、ここからパケットが受信される。
クライアントはこのアドレスにリクエストを送信し、応答から最善のサーバーを選んで他を無視する。
その後は、NTP 通信は発見された NTP サーバーが ntp.conf リストされているかのように
ユニキャスト関連付けを使用する。
このコマンドは、システムが NTP クライアントのように動作するように設定する。
システムは、同時にクライアントとサーバーの両方になることができる。
7. ブロードキャストクライアントアドレスの追加
ブロードキャストクライアントのアドレスを追加するには、つまりブロードキャスト NTP パケット用に
ブロードキャストアドレスを監視するように設定するには、ntp.conf ファイルの broadcastclient
コマンドを利用する。
broadcastclient コマンドは以下の形式になる。
broadcastclient
ブロードキャストメッセージを受信可能にする。
デフォルトで認証を必要する。
このコマンドは、システムが NTP クライアントのように動作するように設定する。
システムは、同時にクライアントとサーバーの両方になることができる。
8. Manycast サーバーアドレスの追加
manycast サーバーのアドレスを追加する、つまり NTP パケットをマルチキャストすることで
クライアントがサーバーを発見できるようにするアドレスを設定するには、ntp.conf ファイルの
manycastserver コマンドを利用する。
manycastserver コマンドは以下の形式になる。
manycastserver address
マルチキャストメッセージの送信ができるようになる。
ここでの address は、マルチキャスト送信先のアドレスになる。
これは認証と合わせて使用して、サービス中断を防ぐ。
このコマンドは、システムが NTP サーバーのように動作するように設定する。
システムは、同時にクライアントとサーバーの両方になることができる。