「〇〇ちゃんが37.5℃の熱を出しています。お迎えをお願いできますか?」
このような連絡を、突然保育園から受け取った経験のある方は多いのではないでしょうか。
仕事の真っ最中。会議の直前。外出中。移動の合間。
どんなに綿密にスケジュールを立てていても、お子さんの体調は予測がつきません。保育園で少しでも発熱や体調の変化があれば、「念のためお迎えを」となるのは当然のこととはいえ、働く保護者の方にとっては大きな負担になります。
私自身、現場で多くのご家庭と関わる中で、「急な呼び出し」に直面した保護者の戸惑いや苦しさをたくさん見てきました。
「会社を出ても30分はかかる…」
「会議を抜けるわけにはいかない」
「迎えに行けたとしても、そのあとの看病はどうしよう」
焦り、罪悪感、そして体調を崩したわが子への心配——。
そのような時、ベビーシッターが力になれる場面がたくさんあります。
■急な呼び出しに「駆けつけ型シッター」という選択肢
ベビーシッターと聞くと、「事前に予約するもの」というイメージを持たれる方が多いかもしれません。確かに、定期でのご利用やあらかじめ予定を立ててのご依頼が一般的ですが、実は**“急なお迎え代行”や“病み上がり保育”などにも対応できるケースがあります。**
例えばこんな使い方が可能です。
・仕事が抜けられないので、まずはシッターにお迎えをお願いしたい
・職場から帰宅するまでの数時間だけ、回復期の子どもを見ていてほしい
・病児保育ほどの重症ではないけれど、園に行けない間のケアを頼みたい
シッターは、集団保育とは異なりお子さま1人1人に合わせた保育ができるため、発熱後の安静が必要な時間や、まだ本調子ではない“病み上がり”のお子さまにとっても無理のない過ごし方が可能です。
■「お迎えに行けない=親失格」ではありません
急な呼び出しに対応できなかったとき、保護者の方がご自身を責めてしまうことがあります。
「私が迎えに行ってあげられなかったから」
「子どもにかわいそうな思いをさせてしまった」
「仕事と子育て、両立できてないのかな」…
でも、どうか忘れないでください。
誰にとっても、突然の呼び出しは大変なものです。
すぐに動ける体制を整えることは、全てのご家庭にとって簡単なことではありません。
親がすべてを抱え込む必要はありません。
むしろ、**助けを借りながら、最善の選択をしていくことが「親としての力」**だと私は思います。
だからこそ、信頼できるベビーシッターを「もしもの時のサポーター」として考えてみてほしいのです。
■いざという時のために、顔合わせや事前相談を
もちろん、初めてのシッターさんにいきなりお願いするのは不安ですよね。
そのため、普段から少しずつ「顔合わせ」や「短時間のお試し保育」などで関係性を築いておくと、いざというときにも安心して頼れるようになります。
「普段は利用しないけれど、急な時のために登録しておこう」
「一度会って話してみて、いざという時のために連絡先を知っておこう」
そんな“保育の予備プラン”があるだけでも、心の余裕はぐっと変わります。
■まとめ:子どもの「もしも」に、あなたの「もう無理」を支えるために
どんなにがんばっている保護者でも、すべてを完璧にこなすことはできません。
でも、「一緒に支えてくれる人がいる」と思えるだけで、日々の子育ては少しずつ楽になります。
保育園からの急な呼び出し。
避けられない現実だからこそ、「対応できないときにどうするか?」をあらかじめ考えておくことが、働く保護者にとって大きな安心材料になります。
そして、ベビーシッターはそんな時の「選択肢の一つ」であることを、どうか思い出してください。
お子さまにも、保護者の方にも、無理のない毎日を。
そのお手伝いができる存在でありたいと、私は日々の保育に向き合っています。