最近、米が高い。ニュースの話ではなく、わが身に迫る実感としてそう感じる。いつものスーパーで5キロの米を手に取るたび、値段にため息が出る。以前は当たり前のように買えていたものが、今では家計を直撃する存在になった。正直なところ、なぜここまで高くなったのかはっきりとはわからない。天候のせいか、輸送費か、人手不足か──いろいろと言われてはいるが、実感としてピンとこない。誰が損をして、誰が得をしているのか、その構図も見えてこない。ただ一つ確かなのは、食卓の中心だった米が、静かに私たちの生活を揺さぶっているということだ。