一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 国産小麦はどれも安全?

「国産」と聞くと、日本人は「安心、安全」と感じる方が多く、パン屋でも「国産小麦ですか」とよく聞かれます。

そこで、どのくらい「安心、安全」なのか、調べてみました。

日本の小麦を扱っている会社によると、国産の小麦のほうが絶対的に安全というところが多いようです。その理由は

・小麦に残留する「グリホサート」が少ない

グリホサート…世界で最も使用されている除草剤の主成分。海外では収穫直前に散布され農作物に残留しやすくなる。厚生労働省が定める基準値以下で微量ではあるが、輸入小麦からは検出されている。発がん性が疑われている。

・残留量が多くなる「ポストハーベスト農薬」が使用されていない

ポストハーベスト…収穫後の農産物の品質を保持するための処理。輸入小麦は、保管・輸送中の害虫被害を防ぐために収穫後の農産物に農薬を散布する。国産小麦には、使われていない。

・日本国内では「遺伝子組み換え農作物」の栽培がない

小麦は食用にされるため、海外でも遺伝子組み換え小麦は栽培されていませんでしたが、2020年に世界で初めてアルゼンチンで栽培が承認されました。海外では遺伝子組み換えの農作物の栽培が盛んなため、国産のほうが遺伝子組み換えの不安が少ない。

 

一方で、科学ジャーナリストによると

「国産」「オーガニック」といった文句には大きな落とし穴があるとしていされています。

「科学的観点からすると、国産やオーガニックだから安心で安全というのは、大きな間違い。」「小麦栽培、収穫にあたってもっとも注意すべきはカビ毒。」

日本の多くの小麦が梅雨の時期に収穫される、輸入される小麦の多くは北米産で雨が少なく小麦の栽培に適しています。一方、日本は高温多湿で非常にカビが発生しやすい。「赤カビ病」のフザリウム属菌は畑などの土壌に多く生息し、小麦や大麦に付着して増殖し、カビで汚染する。気づかずに収穫してしまえば、保管地でさらに増えることもある。

2023年11月に国産小麦「ナンブコムギ」からカビ毒が検出されたとして製品の自主回収や破棄を進めた。翌12月には、給食を食べた児童・生徒が下痢などを訴えた。という事実もあるようです。

この科学ジャーナリストは、輸入小麦の残留農薬ばかりがクローズアップされている中、カビ毒の危険性があまりにも周知されていない、とおっしゃっています。

実際に、2002年実態調査したところ、国産小麦のほうが」輸入小麦よりもカビ毒に汚染されていることが判明。厚生労働省は、この事実を危惧し、監視体制を強化。

生産者は、マニュアルに沿って栽培・収穫を行い、カビ毒の基準値を超えたものが小麦市場に出回らないよう注意している。それでもサンプリング調査をすると、年や地域によって数値が大きく変わり、発病予防の難しさを物語る。

 

ここまでの内容でも、立場によって「安心、安全」の考え方が違い、残留農薬の数値やカビ毒の数値、体への影響など、もっと調べないと、実際使っている小麦が「安心、安全」なのかわからなくなってきました。ひとついえることは、「国産小麦」だから、絶対に大丈夫という事はないということ。

これは、パン屋としてちゃんと調べて使わなければいけないという責任を感じました。

もう少し、調べてみます。

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こじ

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