同じカロリーでもGI値が低い食事の影響とは?
体重計の数字が動かなくても、食べ物の“血糖を上げるスピード(GI)”をゆるやかにするだけで、肝臓やお腹の奥に隠れた脂肪が先に減り始める
1. そもそも GI って何?
- GI(グリセミック・インデックス)=食品を食べたあとに血糖値がどれくらい速く・高く上がるかを数値化したもの。
- 70以上:白パン・白米など“血糖急上昇”組(高GI)
- 55以下:玄米・雑穀・豆類など“ゆっくり上昇”組(低GI)
2. なぜ高GIはお腹の脂肪を増やしやすいの?
- 急上昇→急降下:血糖がジェットコースターのように動く。
- インスリン大量放出:余った糖を“とにかく早く”脂肪に換えて保管。
- 最短ルートが肝臓&内臓まわり:門脈(消化管と肝臓を結ぶ血管)に直送されるため、
- 肝臓の中に脂肪がたまり(脂肪肝)
- 腸の膜やお腹の奥に“内臓脂肪”がつきやすい。
3. 低GIに切り替えたら体内で起きる3ステップ
時間軸 |
体の中で起こること |
目安 |
見た目の変化 |
1〜7日 |
肝臓の脂肪がスッと動員される |
肝脂肪▲30%の例も |
体重はまだ変化なし |
2〜4週 |
お腹の奥の内臓脂肪がじわじわ減少 |
ウエスト−1〜2cm |
ベルトの穴が 1 つ締まる |
6週以降 |
皮下脂肪が少しずつ減少 |
体重−1〜3kgへ |
体脂肪率の数字が動き出す |
ポイント:落ちる順番は「肝臓 → お腹の奥 → 皮下」。だから体重よりウエストを先に見る。
4. “体重が減らない” 最大のトリック:グリコーゲン+水
- 糖質をゆるやかに取ると、筋肉や肝臓に“貯蔵タンク(グリコーゲン)”が回復。
- グリコーゲン 1 g は水約 3 g を抱える → 100 g 回復で +400 g の“水重”。
- 減った脂肪 400 g とちょうど打ち消し合い、体重計は±0。
脂肪が燃えた分は「水が乗り換え客」として体内に残るため、体重計では見えにくい。
5. 血糖ジェットコースターが止まると間食も減る
- 高GI食後は 2〜3 時間で血糖が急降下 → “お腹すいた!”シグナルが強くなる。
- 低GIにするとこの“ディップ”がほぼゼロに → 間食・ドカ食いの誘惑が弱まる。
結果:摂取カロリーを意識せずに 1 日 −100〜200 kcal くらい自然に減るケースが多い。
6. よくある Q&A
Q. 低GIなら皮下脂肪が増える?
A. いいえ。研究では内臓・肝脂肪が先に減り、皮下は“横ばい〜微減”。むしろ総脂肪がゆるやかに下がる方向です。
Q. カロリー同じなのにそんなに効果ある?
A. 体重は数字にすると微差。でも、肝臓や内臓脂肪は生活習慣病リスクと直結。見た目以上に健康的なメリットが大きい。
Q. 筋肉は増える?
A. 低GI食事だけなら“維持〜少しアップ”。本格的に増やすなら、やはり高タンパク+筋トレが必要。
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