一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • テストマネージャーが語る現場で信頼されるフリーランスの条件

〜「また一緒に仕事したい」と言われる人の共通点〜

「フリーランスとして実力はあるのに、なぜか次に繋がらない」
そんな人を、私はテストマネージャーとして何人も見てきました。

逆に「次も一緒にやってほしい」と現場から名指しされるフリーランスもいます。
その差は、スキルや知識だけで決まりません。

今回は、現場で信頼されるフリーランスに共通する条件を、マネージャーの視点からお話しします。


1. 「自分の役割」を理解し、線引きができる人

信頼される人は、「自分の契約上の責任範囲」と「それを超えること」を明確に理解しています。

  • 与えられたタスクに対して責任を持つ

  • でも、それ以上のことは勝手に進めない(判断は仰ぐ)

  • 線引きが必要なときは「これは契約外だと思うのですが、どうしましょうか?」と冷静に確認

勝手にやりすぎない、でも放置しない。このバランス感覚が、現場で信頼される土台になります。


2. 報連相(報告・連絡・相談)が丁寧かつ簡潔

  • 「〇〇は完了済み」「〇〇は未着手、△日までに対応予定」など、事実ベースで進捗を伝える

  • 問題が起きたら、早めに共有し、対処案をセットで出す

  • Slackやチャットでも、端的で分かりやすい文章を心がけている

 報連相ができるだけで、**“任せられる安心感”**が一気に上がります。


3. “巻き込み力”がある

  • 誰かが詰まっていたら「お手伝いできることありますか?」と自然に声をかける

  • チーム内の情報が分断されていたら、「共有しましょうか?」と自ら橋渡しする

  • 上司だけでなく同僚や他部門との関係構築も意識している

「自分の作業だけやってる人」ではなく、「チーム全体を見て動ける人」が信頼されます。


4. 目の前のことだけでなく“目的”を意識して動ける

  • テスト実行だけでなく、「そもそもこのテストって何の目的だっけ?」と考えられる

  • 不具合の傾向を見て「仕様レベルの確認が必要」と提案できる

  • 「どうすれば品質を上げられるか?」を常に考えて行動している

目的意識がある人は、会話の深みが違う。現場の信頼も自然と厚くなります。


5. 契約終了時に「記憶に残る存在」になっている

プロジェクトが終わる頃、よくこんな声を聞きます。

「あの人、ちゃんと周囲を見てたよね」
「あの人がいたから後半助かった」
「あの人ならまた安心して任せられる」

信頼されるフリーランスは、仕事の成果だけでなく、“印象”としても現場に記憶されているんです。


おまけ:信頼される人が“やらない”こと

  • 無断で進める(勝手に設計を変更・自動化ツールを入れるなど)

  • 過度に周囲を批判する(前任者や仕様側など)

  • 小さなミスを隠す(発覚すると信頼が一気に失われます)


おわりに

フリーランスにとって**「また一緒に働きたい」と言われることほど、次の仕事につながる武器はありません**。

現場で信頼されるには、「技術力」以上に「仕事の仕方」が問われます。
そして、その力は一朝一夕では身につきません。

小さな積み重ねが、信頼になります。
あなたもぜひ、**“記憶に残るフリーランス”**を目指してみてください。

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