一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 暑さにまけない!ベビーシッターが考える「熱中症対策」とこれからの備え

梅雨の合間の晴れ間が、まるで真夏のような強い日差しに変わるこの季節。
6月に入ってすぐ、全国各地で30℃を超える「真夏日」が観測され、熱中症で搬送される方も出始めています。
まだ夏本番前とはいえ、私たちベビーシッターが日常のサポートにおいて“熱中症”への意識を高めておく必要性を改めて感じる毎日です。

今回は、ベビーシッターとして知っておきたい基本的な熱中症対策、現場での気づきや工夫、ご家庭との連携のあり方まで、改めて考えていきたいと思います。

 

1. 熱中症ってなに?〜子どもが特に注意すべき理由〜

熱中症とは、高温多湿な環境の中で、体温調節がうまくできなくなり、体内に熱がこもってしまうことで起こる障害です。

症状は軽度な「めまい」「顔の赤み」「ぐったり感」から、重度では「けいれん」「意識の混濁」「命の危険」につながることもあります。

特に子どもは大人に比べて:

  • 身体が小さく、地面からの熱の影響を受けやすい
  • 体温調節機能が未熟
  • のどの渇きを感じにくい/訴えにくい
    という特徴があり、大人以上に注意が必要です。

 

2. シッターとして気をつけたい熱中症対策【基本編】

ベビーシッターはご家庭に代わってお子さまを見守る役割を担っています。
だからこそ「予防」を徹底し、「兆候」を見逃さず、「迅速な対応」を心がけることがとても大切です。

水分補給の徹底

  • 定期的に時間を決めて飲ませる(遊びに夢中で忘れがち)
  • 「のどがかわいていなくても飲もうね」と声かけ
  • 汗をたくさんかいたときは、経口補水液や薄めたスポーツドリンクなども選択肢に

室内の温度・湿度管理

  • 適切なエアコン使用(設定温度は25〜28℃目安)
  • 室温だけでなく湿度もチェック(50〜60%が理想)
  • サーキュレーターや扇風機を活用して空気の循環を

服装と環境の調整

  • 通気性の良い薄手の衣服を
  • 外遊びの時間は短めに(午前中の早い時間や夕方)
  • 帽子は必須アイテム、日陰の確保を優先

 

3. 現場での観察ポイントと初期対応

シッター中に気をつけるべき兆候は以下の通りです。

初期サインの見逃しに注意

  • ぼーっとしている
  • 顔が赤く、触ると熱い
  • いつもより不機嫌、反応が鈍い
  • あまり動きたがらない
  • 手足が冷たいのに汗をかいている

このようなサインがあれば、すぐに室内の涼しい場所へ移動し、水分補給と安静を促します。
冷たいタオルで首元やわきの下、足のつけ根などを冷やすと効果的です。

万が一、意識がもうろうとしている・吐き気がある・けいれんが見られるといった症状が出た場合は、ただちに救急対応(119)と保護者への連絡を行います。

 

4. ご家庭との連携で守る「安全な環境」

シッターとしての努力に加えて、「ご家庭との協力体制」も重要です。

事前に確認しておきたいこと

  • ご家庭の冷房設定や使用ルール
  • 飲み物の種類やタイミングの希望
  • アレルギーや持病など、健康面での特記事項
  • お子様が暑さに弱いかどうか

「今日は公園に行きたい!」というお子様の希望がある時も、保護者の方と相談しながら、無理のない範囲でプランを決めていきましょう。

また、外遊び後の着替えやシャワーの許可、冷房の使用タイミングなども家庭によって異なるため、すり合わせを大切にしています。

 

5. 子どもの「体感温度」に目を向けよう

大人が「そこまで暑くない」と感じていても、子どもにとってはすでに危険な暑さかもしれません。
とくに地面から近い場所で過ごす乳幼児は、大人よりも+2〜3℃高い環境にさらされています。

ベビーシッターは「見下ろす」視点だけでなく、「同じ目線」にしゃがんで温度を感じたり、汗や顔色をこまめに観察することが大切です。

 

6. 気候変動と向き合いながら「育つ」を支える

ここ数年の日本の気候は明らかに変化しており、6月でも真夏日、猛暑日になることが珍しくありません。
今後も気温の高い日が早い時期から続くと予想され、熱中症リスクは年々高まる一方です。

その中で、私たちベビーシッターにできることは、「子どもたちの育ち」と「命を守る行動」の両立を意識することです。
安全を守ることは大前提ですが、「暑いから全部ダメ」ではなく、「どうしたら安全に経験できるか」という柔軟な視点も大切にしています。

 

7. 保護者の方へ伝えたいこと

保育園や学校とは違い、ベビーシッターは家庭に入って一対一で子どもと関わるため、その子に合わせた柔軟な対応が可能です。
その一方で、親御さんとの情報共有や信頼関係がとても重要になります。

  • 熱中症対策をどう考えているか
  • どのような場面で判断が必要か
  • 迷ったときにどう連絡を取るか

こうしたすり合わせをしておくことで、より安心してお子様をお預けいただけると感じています。

 

8. まとめ 〜暑さ対策は「命を守るケア」〜

6月とは思えない暑さのなか、熱中症はすでに「夏だけのもの」ではなくなりつつあります。
私たちベビーシッターは、日々のケアの中でいかに子どもの命を守るかという視点で、暑さ対策にも取り組んでいく必要があります。

「今日も楽しかったね」と笑顔で終われるように。
「ちょっとしたことだけど、しておいてよかった」と思えるように。
私たちにできることを、日々積み重ねていけたらと思います。

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