NTP サービスのデフォルト設定を変更するには、root でテキストエディターを使用して
/etc/ntp.conf ファイルを編集する。
このファイルは、ntpd とともにインストールされ、Red Hat プールからのタイムサーバーを
使用するデフォルト設定になっている。
9. マルチキャストクライアントアドレスの追加
マルチキャストクライアントのアドレスを追加するには、つまりマルチキャスト NTP パケット用に
マルチキャストアドレスを監視するように設定するには、ntp.conf ファイルの multicastclient
コマンドを利用する。
multicastclient コマンドは以下の形式になる。
multicastclient address
マルチキャストメッセージの受信ができるようになる。
ここでの address は、サブスクライブするアドレスになる。
これは認証と合わせて使用して、サービス中断を防ぐ。
このコマンドは、システムが NTP クライアントのように動作するように設定する。
システムは、同時にクライアントとサーバーの両方になることができる。
10. Burst オプションの設定
公開サーバーに対して burst オプションを使用することは、濫用とみなされる。
公開 NTP サーバーでは、このオプションを使用しない。
このオプションは、組織内のアプリケーションにのみ使用するようにする。
時間オフセットの統計情報の平均的な品質を向上させるには、サーバーコマンドの最後に
以下のオプションを追加する。
burst
サーバーが反応している場合は、ポーリングの間隔ごとにシステムが通常の 1 パケットではなく、
最大 8 パケットのバーストを送信する。
server コマンドを使うと、時間オフセット計算の平均的な質が向上する。
11. iburst オプションの設定
初回同期にかかる時間を改善するには、サーバーコマンドの最後に以下のオプションを追加する。
iburst
サーバーに到達できない場合は、1 パケットではなく、8 パケットのバーストが送信される。
パケットの間隔は通常は 2 秒間隔ですが、1 番目と 2 番目のパケット間の間隔は、モデムまたは
ISDN 呼び出しの完了に必要な追加の時間を許可できるように calldelay コマンドを使用して変更
することができる。
server コマンドと使用すると、初回の同期にかかる時間が短縮される。
これが設定ファイルでのデフォルトオプションになる。
12. 鍵を使用した対称認証の設定
鍵を使用した対称認証を設定するには、サーバーまたはピアコマンドの最後に以下のオプションを追加する。
key number
ここでの number は、1 から 65534 までの数字になる。
このオプションを使うと、パケット内で メッセージ認証コード (MAC) が使えるようになる。
このオプションは、peer、server、broadcast、および manycastclient の各コマンドで使用する。
このオプションは、/etc/ntp.conf 内で以下のように使用する。
server 192.168.1.1 key 10
broadcast 192.168.1.255 key 20
manycastclient 239.255.254.254 key 30
13. ポーリング間隔の設定
デフォルトのポーリング間隔を変更するには、サーバーまたはピアコマンドの最後に以下の
オプションを追加する。
minpoll value and maxpoll value
デフォルトのポーリング間隔を変更するオプション。
ここでは、秒単位の間隔を 2 の 値 乗で計算し、間隔は log2 秒で表示される。
デフォルトの minpoll 値は 6 で、26 は 64 に相当する。
maxpoll のデフォルト値は 10 で、1024 秒に相当する。
使用できる値は、3 から 17 の範囲で、それぞれ 8 s から 36.4 h に相当する値になる。
これらのオプションは、peer または server で使用します。
maxpoll を短く設定すると、クロックの精度が向上する場合がある。
14. サーバー優先順位の設定
特定のサーバーが他の同様の統計情報のサーバーよりも優先されるよう指定するには、
サーバーまたはピアコマンドの最後に以下のオプションを追加する。
prefer
他の同様の統計情報のサーバーに優先して、このサーバーが同期に使用される。
このオプションは、peer または server コマンドで使用する。
15. NTP パケットの Time-to-Live (有効期限) の設定
デフォルトで使用される特定の time-to-live (TTL: 有効期限) の値を指定するには、サーバー
またはピアコマンドの最後に以下のオプションを追加する。
ttl value
ブロードキャストサーバーおよびマルチキャスト NTP サーバーが送信するパケットで使用される
TTL の値を指定する。
manycast クライアントが expanding ring search を使用するには、TTL の最大値を指定する。
デフォルト値は 127 。
16. 使用する NTP バージョンの設定
デフォルトで使用される特定バージョンの NTP を指定するには、サーバーまたはピアコマンドの
最後に以下のオプションを追加する。
version value
作成された NTP パケット内の NTP セットのバージョンを指定する。
値は 1 から 4 になり、デフォルト値は 4 。