最近、個人事業主やフリーランスの方から「セキュリティって何から始めたらいいの?」「ウイルス対策ソフトを入れれば大丈夫?」といった質問をよく受けます。
結論から言うと、今の時代、セキュリティは「やるかやらないか」ではなく「やらないと生き残れない」ものです。今回は、情報セキュリティの基礎知識から最新トレンド、具体的な対策、考え方までを、個人事業主向けにわかりやすく解説します。
情報セキュリティとは、ざっくり言えば「情報を守る仕組みや考え方」のことです。主に以下の3つの要素で構成されます:
機密性(Confidentiality):許可された人だけが情報にアクセスできること
完全性(Integrity):情報が正しく、改ざんされていないこと
可用性(Availability):必要なときに情報が利用できること
たとえば、お客様の個人情報をうっかりメールで第三者に送ってしまうのは「機密性の侵害」。データが壊れたり改ざんされたりすれば「完全性の侵害」。PCがウイルスで起動できなくなれば「可用性の侵害」です。
「自分には重要なデータなんてない」と思いがちですが、取引先とのメール、顧客の連絡先、請求書データなど、すべてが価値ある情報です。
攻撃者は、まず個人や小規模事業者を狙い、そこから大手企業へと侵入する「サプライチェーン攻撃」を仕掛けてきます。
「英語のメールは苦手」「つい添付ファイルを開いてしまう」というスキが狙われます。
生成AIの悪用:ChatGPTなどを悪用して自然な文章のフィッシングメールが作られる時代に。
QRコード詐欺:請求書のQRコードを偽装し、振込先を詐欺業者に変える手口。
SNSアカウントの乗っ取り→詐欺拡散:フォロワーの信頼を悪用して偽情報を拡散。
クラウドの設定ミスによる情報漏えい:Google DriveやDropboxなどの“誰でも閲覧可能”設定のまま放置。
「123456」や「password」は即刻NG。12文字以上の英数字+記号に。
サービスごとに別パスワード、**2段階認証(2FA)**は絶対に設定。
【おすすめツール】1Password、Bitwarden、Google Authenticator
特にWordPressやプラグインは、脆弱性が狙われやすい。
自動更新をONにし、定期的なメンテナンスも忘れずに。
無料ソフトではなく、ビジネス向けのものを選ぶのが理想。
【おすすめ例】ESET、カスペルスキー、ノートン、ウイルスバスター
Google WorkspaceやDropboxで「共有リンクが全員に公開」になっていないか確認。
機密資料はパスワード付きZIPではなく、アクセス権限管理を。
PCやスマホが壊れても業務が続けられるように。
【おすすめ】Google Drive、OneDrive、外付けHDD+クラウドのハイブリッド方式
スタバやコワーキングスペースで仕事をするなら、通信内容が傍受されるリスクを知るべき。
【おすすめVPN】ProtonVPN、NordVPN、Surfshark
セキュリティ対策をしていない事業者は、今後取引先からも消費者からも信頼されません。
特にBtoB事業やEC、業務委託などでは、「セキュリティに配慮しているか?」がパートナー選定の基準になることも増えています。
どんなに高性能なセキュリティソフトを入れても、**最後の防波堤は「人」**です。
自分自身が引っかからないこと、社外パートナーやスタッフにも注意喚起することが重要です。
「不審なメールは開かない・クリックしない」ことを徹底する
身近な人にもセキュリティ意識を共有する
わからないことはプロに相談する(IT顧問、クラウドサポートなど)
情報セキュリティは「いつかやろう」では間に合いません。
今日からできることは、たとえばこんな一歩です:
Googleアカウントに2段階認証を設定する
パスワードを全部見直す
クラウド共有の設定を見直す
無料Wi-FiをやめてVPNを導入する
小さな対策が、あなたのビジネスを守ります。