8月になります
電気代等をメインとするエネルギー関連情報をアップしてきましたが、
今月はニーズが高まっている蓄電池やEVカーの話題です。
世界的には、EVカーへのシフトが注目されてきたところ、製造コスト要因や充電の時間や手間の問題もあり、
直近ではハイブリッドカーなどが再注目されてきています。国内の普通車ではPHEVの販売がEVを上回る傾向にあります。
問題は、V2h設備もEVカーも割高感は否めず、今購買されているのは「補助金」による実質割引があってこそという状況。
そのうち補助金適用もできなくなったとき、量産化によるコストダウンや販売価格の下落になるのか??
たぶん、ならないです。
ここに、今主力のリチウムバッテリーの限界値がみてとれます。
各メーカーのEV販売戦略動向
1. テスラ (Tesla)
- 強み: 自社でのバッテリー内製化(4680セル)、垂直統合型のビジネスモデル、そして圧倒的な充電インフラ「スーパーチャージャー」ネットワーク。
- 戦略:
- 価格競争力: 激しい価格競争を仕掛け、市場シェアの拡大を狙っています。
- 技術革新: 4680セルの量産体制を強化し、コスト削減と性能向上を追求しています。
- インフラ: NACS(North American Charging Standard)が他社にも採用されつつあり、充電インフラの標準化をリードしています。
2. 中国メーカー (BYD、Geely、Wulingなど)
- 強み: バッテリーの内製化によるコスト競争力、多様な低価格モデルの投入、PHEVを含む幅広い電動車のラインナップ。
- 戦略:
- 低価格帯EV: 積極的に低価格EVを投入し、新興国市場や欧州市場でのシェア拡大を狙っています。
- 垂直統合: バッテリーや電動アクスル、半導体など基幹部品の自社内製化を進め、コストと供給の安定化を図っています。
- PHEVの強化: EVだけでなく、PHEVの需要も急増しているため、PHEVのラインナップも強化しています。
3. トヨタ (Toyota)
- 強み: ハイブリッド車(HEV)技術の強み、多角的な電動化戦略(マルチパスウェイ)。
- 戦略:
- マルチパスウェイ: BEV一辺倒ではなく、HEV、PHEV、FCV(燃料電池車)も含む多様な電動車を展開することで、市場や地域のニーズに柔軟に対応しています。
- BEVのラインナップ拡充: 2030年までにトヨタとレクサスブランドで30車種のBEVモデルをグローバルに展開し、年間350万台の生産を目指しています。
- バッテリーの安定調達: 自社でのバッテリー生産や外部サプライヤーとの提携を強化し、安定的なバッテリー供給体制を構築しています。特に、車載バッテリーの生産・調達において、PEVE(プライムアースEVエナジー)を完全子会社化するなど、中長期的なBEV/PHEVへの対応を視野に入れています。
4. ホンダ (Honda)
- 強み: 「脱エンジン車」を掲げた積極的なEVシフト。
- 戦略:
- BEV・FCEVへの集中: 2040年までに新車販売のすべてをBEVとFCEVにするという目標を掲げています。
- モデル投入: 2030年までに30車種のBEVをグローバル市場に投入し、年間200万台超の生産を目指しています。
- バッテリー戦略: LGESとの提携を通じてリチウムイオンバッテリーを量産化する一方、全固体バッテリーの内製開発も進めています。
- 軽EVの強化: 日本市場では軽自動車からのEV化を推進しています。
5. 日産 (Nissan)
- 強み: EVの量産に早期から取り組んできた実績(リーフなど)、e-POWER(シリーズハイブリッド)技術。
- 戦略:
- 電動化の二本柱: BEVとe-POWERを柱として電動化を推進しています。
- PHEVの投入: 2025~2026年度に4車種のPHEVを投入し、電動車の選択肢を広げます。
- グローバルな電動化: 2030年代早期に主要市場で電動化を進めることを目指しています。
6. 欧州メーカー (VWグループ、BMW、メルセデス・ベンツ、Stellantisなど)
- 強み: 既存の生産・販売ネットワーク、ブランド力。
- 戦略:
- EV生産体制の強化: 各社ともEV専用プラットフォームの開発や、バッテリーの生産・調達網の強化を進めています。
- 高級EVと多様なモデル: 高級EVだけでなく、手頃な価格帯のEVモデルも計画し、多様な顧客ニーズに対応しようとしています。
- バッテリーサプライチェーンの再構築: Northvoltの生産遅延などを受けて、自社内製化や複数のサプライヤーとの提携を通じてバッテリーの安定調達を図っています。例えば、VWグループは国軒高科とPowerCoを活用し、BMWはSamsung SDIと提携を進めています。
- ソフトウェア・サービスの強化: EVの付加価値を高めるため、ソフトウェア開発やコネクテッドサービスにも注力しています。
まとめ
EV市場は成長を続ける一方で、各メーカーは競争の激化、補助金政策の変化、充電インフラの課題など、さまざまな課題に直面しています。そのため、以下の点が今後の販売戦略の鍵となると考えられます。
- 価格競争力: 特に中国メーカーがリードする低価格EV市場への対応。
- バッテリー技術と調達: コスト削減と性能向上のためのバッテリー技術開発と安定的なサプライチェーン構築。
- 充電インフラ: 消費者の不安を解消するための充電インフラの整備。
- 多様なニーズへの対応: 地域や顧客のニーズに合わせたEVだけでなく、PHEVやHEVを含む多様な電動車の提供。
- ソフトウェアとサービス: EVの魅力を高めるための新たなデジタルサービスや機能の提供。
今後も各メーカーは、これらの要素を踏まえながら、市場環境の変化に合わせた戦略を展開していくと予想されます。
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