災害に強いまちづくりには、住宅の耐震化・不燃化、救急車や消防車が通行できる街路、公園や防災設備の整備といったハード面が不可欠である。しかし、これだけでは十分ではない。阪神・淡路大震災では、倒壊家屋から被災者を救出し、生活を支え合ったのは地域の人々であった。神戸市長田区野田北部では、震災前からのまちづくり協議会による公園・道路整備が延焼防止に寄与し、復興も迅速に進んだ。真野地区では、住民と企業の交流が災害時の協力につながり、復興基盤となった。これらは、施設整備と地域の共助体制が相補的に作用してこそ、真に災害に強いまちが実現することを示している。