一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

「何をやっているの?」

こう聞かれたとき、多くの人が「商品名」「サービス内容」「価格」など、What(何をやっているか)だけを答えがちです。

でも、それだけでは相手の心には届きません。

個人事業主にとって、実は最も大切なのは「なぜそれをやっているのか(=Why)」を語れるかどうかです。
なぜ自分はこの事業をしているのか。どんな想いがあって、どんな人を救いたくて、どんな未来をつくりたいのか。
この「Why」を明確にし、それを言語化することが、信頼や共感を生み、結果的に選ばれる力に直結します。
私が日々実践し、支援しているのが「ゴールデンサークル理論」に基づいた言語化の設計です。

これは、サイモン・シネック氏が提唱した「Why→How→What」の順で事業やメッセージを組み立てるフレームワークで、アップル社をはじめ、数多くの成功企業や起業家が実践している思考法でもあります。
大切なのは、「自分にしか語れないWhy」を掘り起こすこと。
そこには他者と差別化されたストーリーがあり、そこからどんな方法(How)で誰を助けたいのか”が見えてきます。そして最後に“具体的な商品やサービス(What)が、自然と輪郭を持って浮かび上がるのです。

この順序で言語化することで、あなたの事業は単なる「手段の提示」ではなく、「共感の連鎖」を生み出すメッセージになります。
逆に、「What」から話し始めると、価格競争や機能の比較に埋もれやすくなります。小さな個人事業主こそ、言葉の設計に意識的であるべきなのです。
あなたの「Why」は何ですか?
まずは、過去の原体験や、心が揺れた瞬間を振り返ってみてください。その中に、必ず事業の核となる理由があります。

個人事業は、ひとりでも立ち上げられます。でも、ひとりであるからこそ、自分自身の言葉が「軸」となり、「旗印」となり、そして「共感の輪」を広げる原動力となるのです。
このコラムでは今後も「言語化の流布師」として、あなたの言葉と事業を整えるヒントをお届けしていきます。

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西植 弘

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