近年のアパレル市場では、9月からの秋冬立ち上がりに課題が生じています。従来なら9月は秋物の需要が高まる時期でしたが、気候変動により夏が長引き、体感的な「秋」が短縮されているのが現状です。結果として、厚手のニットやアウターの動き出しが遅れ、軽羽織や半袖に近いアイテムが9月でも主力となっています。その一方で、冬の到来は急激で、消費者は一気に防寒商材へ移行する傾向が強まりました。この変化は企画・生産スケジュールに影響を及ぼし、アパレル企業は在庫リスクを軽減するために「晩夏から初冬まで着回せる中間アイテム」や「シーズンレス素材」を重視する方向へシフトしています。