どうも、遠藤です。
ここ数年のAIの進化は、まさに目を見張るものがあります。画像や映像、音楽といったコンテンツは、かつては専門的な知識や膨大な時間をかけて制作されるものでした。しかし今や、AIを使えば誰でも短時間で高品質なものを生成できてしまいます。
たとえば美しいイラストやプロ並みの写真風画像は数秒で出力され、動画ですら数クリックで仕上げられる時代になりました。有名人の顔を合成したフェイク動画や、AIが自動作曲した音源も次々に登場しています。技術的な驚きはあるものの、同時に「コンテンツそのものの価値が下がっているのではないか」という感覚を抱く人も少なくないでしょう。
デジタルデータは複製も拡散も容易です。かつて希少だったものが大量に供給されることで、相対的に価値が下がっていくのは自然な流れです。ではこの先、私たちはどこに価値を見いだしていくのでしょうか。
私は「リアルな体験」や「実体を持つもの」への回帰が進むのではないかと感じています。AIが生成できないもの、つまり手に触れられるモノや、その場に行かなければ味わえない体験です。
たとえば音楽。データとしての音源はどれだけ高品質でもコピーが可能ですが、ライブ会場でしか味わえない空気感や臨場感はAIでは代替できません。推しのアーティストと同じ空間で共有する時間は、まさに唯一無二の価値です。
グッズにしても同じです。デジタルアートやNFTが一時期話題になりましたが、やはり多くの人が最終的に欲しがるのは「手元に残るモノ」。手触りや重み、使用感といったフィジカルな実感が、人間にとってはかけがえのない価値を生み出します。
データを扱うエンジニアとして、私自身もここに大きな示唆を感じています。これからはデジタルだけで閉じるのではなく、「リアルな体験やモノ」とどう結びつけていくかが重要になる。むしろ、AI時代だからこそ“現実世界との接点”を強く持っている業界——イベント、観光、ものづくり、飲食など——とのコラボレーションがより価値を持つのではないか。
AIが広げた世界は決して否定するものではありません。むしろ便利さや効率の向上という恩恵は計り知れません。ただ、それと同時に「人間にとってかけがえのないものは何か」を改めて考えさせられます。
データが氾濫し、誰もが同じようなコンテンツを手に入れられる時代だからこそ、体験や実体が持つ価値はむしろ高まっていく。エンジニアとしても、この潮流を見据えながら次のビジネスの可能性を探っていきたいと考えています。
では今回はこの辺で。