デザインにおける優先順位 ―お客様目線を軸にした商品づくり―
私は先日、開発中のドッグフードのパッケージデザインを、ご依頼者のデザインを学ぶ学生である娘さんに依頼しました。
パッと一目をひく素敵なデザインでした。
ではここに商品名をどのように入れるか。と話は進んでいったのですが
彼女から出てきた言葉は「商品名をデザインに入れたくない」というものでした。
デザイン性を重視したいという意識は理解できます。しかし、商業デザインにおいて優先すべきは「お客様が一目で何の商品か理解できること」です。
「商品は物言わぬ販売員」
お客様に伝わらないデザインは、どれほど美しくても商品としては成立しません。この点を説明し、最終的には商品名をきちんと入れる形で進めることになりました。
この出来事を通じて、私は改めて「デザインに必要な三つの視点」を確認しました。
デザイナーの視点(美しさ・表現力)
創造性や感性を大切にしながら、ブランドの魅力を引き出すこと。
依頼主の視点(戦略・方向性)
経営者としての理念や販売戦略を反映し、商品をどのように位置づけるかを考えること。
お客様の視点(わかりやすさ・信頼感)
一目で商品内容が伝わり、安心して選んでもらえること。
この三つの視点はしばしば衝突しますが、最終的に軸とすべきは「お客様」です。デザインは作品ではなく、ビジネスにおけるコミュニケーションツールです。お客様に伝わり、選ばれるものでなければ意味を持ちません。
デザイナーと依頼主の意向を調整しつつ、常にお客様目線を守ることです。結果として、デザイナー・依頼主・お客様の「三方良し」が実現し、売れる商品へとつながります。
デザインは見た目を整えるだけではなく、経営戦略の一部です。
この視点を忘れずに商品づくりを進めていくことが求められます。