一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

近年、日本人におけるアレルギー疾患の増加が社会的な課題となっています。

その要因は複合的であり、一つに絞ることはできませんが、大きな流れを捉えることが事態の改善につながります。

 

日本人にこれほどまでアレルギー疾患が増加した要因として、まず生活環境の変化が大きな背景にあります。

戦後の高度経済成長期以降、食生活は大きく欧米化し、乳製品や肉類、加工食品の摂取が増加しました。

これにより腸内環境が変化し、免疫機能に影響を与えたと考えられています。

 

また都市化に伴う住環境の清潔化や抗菌製品の普及により、幼少期に多様な細菌や微生物に触れる機会が減少しました。

これは「衛生仮説」と呼ばれ、免疫系が過剰に反応しやすくなる要因とされています。

 

さらに、大気汚染や花粉の飛散量増加といった環境要因も無視できません。

とりわけスギの大量植林による花粉症の拡大は日本特有の問題でもあります。

 

加えて、共働き家庭の増加により食事内容が簡便化し、栄養バランスの偏りが生じやすいことも影響しているでしょう。

遺伝的素因も一定の役割を果たしますが、急激な増加は主に生活習慣や環境変化に起因すると考えられます。

つまり現代の便利で清潔な社会が、皮肉にもアレルギー体質を助長しているのです。

 

今後は腸内環境を整える食習慣や自然との触れ合いを重視する生活が、アレルギー対策の一助となると期待されます。

The following two tabs change content below.

岩井 秀樹

この記事をシェアする

  • Twitterでシェア
  • Facebookでシェア
  • LINEでシェア