一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • ケガ予防の第一歩は「自分の体を知ること」

始めまして。私はアスレティックトレーナーとして働いている岡林と申します。

私の職業柄、スポーツをしている方から「ケガをしないために何をすればいいですか?」という質問をよく受けます。

多くの方が「ストレッチをすればいいのか?」「筋トレをして筋肉を強化すればいいのか?」と考えがちですが、実はその前にやるべきことがあります。それは「自分の体を知ること」です。

ケガの原因は一人ひとり異なります。

例えば、関節の動きが硬い人はしゃがむ動作などでエラーが発生しやすく、無理をすると関節の痛みにつながります。逆に柔らかすぎる人は関節の安定性が不足し、捻挫などのトラブルを起こしやすい傾向があります。目的とする運動に対して筋力の不足も大きなリスク要因です。特に下半身の筋力が弱いとジャンプや着地動作で衝撃を吸収できず、筋肉や腱の損傷や下肢の関節の故障につながります。

さらに、疲労が蓄積しやすい体質や生活習慣を持つ方は、回復が追いつかず「オーバーユース(使いすぎ)」による慢性的な痛みを招きやすいのです。

こうした違いを無視して「誰にでも効く万能のケガ予防法」を探すのは、実は遠回り。

大切なのは、自分の体の特徴や弱点を正しく把握することです。そのために有効なのが、日常的なセルフチェックです。

例えば、次のような簡単なチェックをおすすめします。

  • 片足立ちテスト:左右30秒ずつ、目を開けてバランスを保てるか。

  • しゃがみ込みテスト:かかとをつけたまま深くしゃがめるか。

  • 肩の柔軟性テスト:両手を背中の後ろでつなげるか。

これらは一例ですが、こうした簡単な動作で「自分の体はどの動きを苦手としているか」が見えてきます。

そして、その結果をもとに必要な対策を選ぶのです。柔軟性が足りなければストレッチを、筋力不足が見えれば筋力トレーニングを、バランスが取れなければ神経系の調整を、疲労が原因と感じるなら睡眠や栄養を整えることが優先されます。

ケガ予防は一度きりの取り組みではなく、日々の小さな積み重ねの結果です。まずは「自分の体を知ること」から始めましょう。それが、長く健康にスポーツを楽しむための第一歩となります。

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岡林 努

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