一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

創業融資の金利と利息|種類と返済総額の計算方法を徹底解説

創業融資を検討する際、最も重要なポイントの一つが 金利と利息 です。融資の返済額は金利によって大きく左右されるため、金利の種類や計算方法を理解しておくことが、無理のない返済計画を立てる上で欠かせません。

本記事では、創業融資における金利の基本、返済総額の計算方法、返済負担を軽減するための実践的なポイントを解説します。具体例やシミュレーションも紹介するので、創業前の方からすでに融資を受けた方まで参考になる内容です。

1.創業融資にかかる金利の基本


創業融資の返済計画を立てる際には、いくつかの基本的なポイントを押さえておく必要があります。返済額を無理なく設定するためには、事業の資金フローを正確に把握し、事業計画と返済計画を連動させることが不可欠です。

①固定金利と変動金利の違い


創業融資では、主に 固定金利 と 変動金利 の二種類が用意されています。

 

◆固定金利
融資期間中ずっと同じ金利で返済できるタイプ。返済額が安定するため、資金計画が立てやすく、創業初期の不確実性が高い時期に適しています。

 

◆変動金利

市場金利に応じて金利が変動するタイプ。初期は低金利でスタートできることが多いですが、将来的に金利が上昇すると返済額が増えるリスクがあります。

 

日本政策金融公庫の場合、創業融資の金利は概ね1.5%〜2.5%程度が目安です。民間銀行では金利が若干高くなることがありますが、信用保証協会を利用することで、低めの金利で融資を受けられる場合もあります。

②金利の計算方法


金利は「年利(年率)」で表示されますが、実際の返済額を把握するには 返済期間・返済方式(元利均等返済・元金均等返済) を考慮する必要があります。

◆元利均等返済
毎月の返済額(元金+利息)が一定。返済計画を立てやすく、資金繰りが安定します。

◆元金均等返済

元金部分が一定で、利息は残高に応じて変動。初期の返済額は高めですが、総利息は少なくなります。


2.返済総額の計算方法


返済総額は「融資元金+利息」で決まります。具体的な計算例を見てみましょう。


例:1,000万円を金利2%、返済期間10年で借りた場合

 

◆元利均等返済の場合

・月々の返済額:約92,000円

・総返済額:約1,104万円

・利息総額:約104万円

 

◆元金均等返済

・初月の返済額:約100,000円

・最終月の返済額:約83,000円

・総返済額:約1,101万円

・利息総額:約101万円

 

この例から分かる通り、返済方式によって総利息や月々の負担額が大きく異なります。

金融機関等から事業資金として借り入れをする場合は、元金均等返済が採用されるケースが多いです。

3. 金利負担を軽減する方法


返済計画を具体化するためには、シミュレーションが欠かせません。シミュレーションを行うことで、月々の返済額、総返済額、利息負担を可視化できます。

①融資額の調整

必要以上に融資を受けると、利息負担が増え、返済リスクが高まります。創業初期は、必要最低限の資金を確保することが安全です。

②返済期間の延長

返済期間を長く設定すれば、月々の返済額を減らすことができます。ただし、総利息額は増えるため、メリットとデメリットを比較して決定する必要があります。

③補助金や助成金の併用

返済不要の補助金や助成金を活用すれば、融資額を抑えることが可能です。例えば、創業費用の一部を補助金で賄えば、借入額が減り、利息負担も軽減されます。

4. 返済額シミュレーションの作り方


返済額を具体的に把握するためには、シミュレーションが有効です。

①Excelやオンライン計算ツールの活用

日本政策金融公庫や信用保証協会のサイトには、返済シミュレーションツールがあります。融資額、金利、返済期間を入力するだけで、毎月の返済額と総利息を自動計算可能です。

②収支予測との照合

返済額が決まったら、事業の収支予測と照らし合わせましょう。売上や利益が見込み通りでない場合、返済額を減らす、据置期間を活用するなど調整が必要です。

5.金利に関する注意点


①変動金利のリスク

市場金利が上昇すると、返済額も増える可能性があります。変動金利で融資を受ける場合は、余裕資金を確保しておくことが重要です。

②繰上げ返済の手数料

利息負担を減らすために繰上げ返済を行う場合、金融機関によって手数料が発生することがあります。条件を事前に確認しましょう。

③複数融資の管理

複数の融資を組み合わせる場合は、それぞれの金利や返済タイミングを把握し、総返済負担が増えすぎないよう管理が必要です。

6.まとめ


創業融資の金利と利息を理解することは、無理のない返済計画を立てる上で欠かせません。ポイントは以下の通りです。

 

・固定金利と変動金利の特徴を理解する

・元利均等返済と元金均等返済の違いを把握する

・返済総額や利息総額をシミュレーションで確認する

・補助金や助成金を活用して融資額を抑える

・返済計画と事業計画を連動させる

 

返済計画と金利の理解は、創業時の資金繰りを安定させ、事業成功への第一歩です。無理のない返済計画を立て、安心して創業をスタートしましょう。

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【商工会議所の元経営指導員、企業経営アドバイザー】 "補助金・融資に強い”経営コンサルタントです! ご不明点、ご相談等ございましたらお気軽にご相談ください。

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