システム開発において「バグをどれだけ早く発見できるか」は、品質やコストに大きな影響を与えます。
リリース直前で見つかった重大な不具合は、手戻りや納期遅延を引き起こし、場合によっては大きな損失につながります。
この記事では、テストエンジニアとして実際に意識している「バグを早期に発見するための工夫」を紹介します。
バグの多くは実装前の「要件定義・仕様設計」に起因しています。
曖昧な仕様や抜け漏れを放置すると、後の工程で大きな不具合になります。
仕様書を読むだけでなく、ユーザー視点での質問や想定外ケースの指摘をする ことが重要です。
テスト設計を後回しにせず、仕様が固まった段階でテスト観点を洗い出します。
開発チームに観点を共有することで、開発者が事前に気を付けるポイントが明確になり、バグを未然に防げます。
例えば「入力チェック」「エラーハンドリング」「境界値」などの観点は早い段階で共有しておくと効果的です。
実装前にドキュメントをレビューする、実装直後にコードをレビューするなど、動かす前に確認するプロセスを大事にします。
ツールを活用したLintチェックや静的解析も有効です。
動かさずに発見できる不具合は、工数的にもコスト的にも最も安く修正できます。
大きな機能をまとめて作ると、テストで不具合が見つかった際に原因が特定しにくくなります。
機能を小さく区切って実装・単体テスト・レビューを行うことで、不具合の早期発見と原因追跡が容易になります。
アジャイル開発におけるスプリント単位の開発・テストも、この考え方に基づいています。
「正常なデータ」だけでなく、「境界値」「異常値」「空データ」「極端に大きな値」などを準備します。
本番環境を想定したデータを早い段階で投入して試すと、仕様漏れや性能の問題に気付きやすいです。
ユーザーが実際に入力しそうな“変な使い方”を想定するのも重要です。
単体テストやAPIテストを自動化すると、コード変更のたびにすぐ確認できます。
「動かしてみないとわからないバグ」を早期に検出できるため、手戻りを減らせます。
すべてを自動化する必要はなく、リグレッション頻度が高い部分から自動化するのが効果的です。
過去に発生したバグを分類・分析すると、次に潜んでいそうな箇所が見えてきます。
「入力チェック系が多い」「特定のモジュールに集中している」などのパターンを把握しておくと、重点的にテストでき、早期発見につながります。
バグを早期に発見するためには、テスト工程に入ってから頑張るのではなく、上流工程から積極的に関わることが重要です。
仕様レビューで曖昧さをつぶす
テスト観点を早期に共有する
静的レビューや小さな単位での開発・テスト
境界値や異常系を意識したテストデータ
自動化による早いフィードバック
バグ傾向の分析で予測的にテストする
こうした工夫を積み重ねることで、「後になって大きな不具合が見つかる」リスクを大幅に減らすことができます。