一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 2025年、9月末。フードデリバリー市場と総需要と可処分所得に関して雑感

私は現在フードデリバリー配達員として働いているが、他の個人事業も並行して行っている。そのため「どちらが本業か」と問われれば一概には答えにくい。しかし、実際の売上は依然としてフードデリバリーから得られる金額が多く、その比重の大きさを無視することはできない。主な活動地域は東京都であり、必要に応じて埼玉エリアにも足を運ぶ。東京での配達は交通事情や競争の厳しさゆえに困難も多いが、一方で収益機会の豊富さや、新しいルールや報酬体系が地方都市で先に試されるために対応準備の時間が確保できるといった利点もある。しかし実際のところ、運営会社の新施策は配達員の収入増に寄与するものではなく、むしろ長時間労働や多数件数を求める方向へと誘導する仕組みが多いと感じる。価格決定権を持たない配達員は、提示案件の中から条件に合うものを選ぶ受動的な立場にとどまるうえ、その自由すら制限されることもある。このような状況から、専業として従事するのはリスクが高いと私は考える。社会的に軽視されがちな職業ではあるが、歴史を振り返れば、参入障壁が低く社会生活に不可欠な仕事ほど地位を低く見られるのは普遍的な現象である。私は本業の隙間を埋める形でフードデリバリーに取り組み、その現実を受け止めつつ、自分なりの働き方を模索している。

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