タロットカードというと「当たる・当たらない」で語られがちですが、本来は未来を予言するためだけの道具ではありません。
カードに描かれた象徴や物語を通して、自分の内側にある気持ちや状況を整理する“鏡”のような役割を果たします。未来を一方的に決めつけるものではなく、「今の自分がどの方向を選びそうか」を映し出してくれる存在です。
78枚のカードが映す世界
タロットは「大アルカナ22枚」と「小アルカナ56枚」、計78枚で構成されています。
大アルカナは人生の大きなテーマ――出会いや別れ、成長や試練など――を象徴し、小アルカナは日常的な出来事や心の細やかな動きを映します。
例えば「愚者」は新しいスタートの自由さと同時に無鉄砲さを、「塔」は突然の崩壊と、同時に再構築のきっかけを意味します。ポジティブもネガティブも含んでいるからこそ、人の心にリアルに響くのです。
占いよりも“対話”に近い
タロット占いを体験した人の多くが「当たった」というよりも「気持ちが整理できた」「自分の本音に気づけた」と感じます。
占い師はただ答えを告げるのではなく、カードを媒介にして相談者と一緒に考えていくスタイルが多いのも特徴。つまり、タロットは「人とカードと自分自身の対話」なのです。
不確実さを抱えながら進むために
現代は情報が溢れ、先が見えにくい時代。だからこそ「自分はどうしたいのか」を立ち止まって見つめる瞬間が必要です。タロットはその時間を与えてくれます。
未来は常に変わり得るもの。カードが示すのは一本道ではなく、選択肢の地図。どの道を行くかは、結局は自分の足で決めていくものです。