人工膝関節置換術は、変形性膝関節症やリウマチなどによって傷んでしまった関節(大腿骨、脛骨)の表面を削り取り、金属やセラミック、ポリエチレン等でできた人工関節をかぶせる手術です。
重症度に応じて削り取る軟骨や骨の量は変わります。重症で多くの骨を削り取った場合、人工関節も多くの部品を必要とします。
手術の方法は、膝関節全体を人工関節に置き換える全置換術(TKA)と、一部だけを人工関節に置き換える部分置換術(UKA)があります。関節の傷んだ部分だけ入れ替える「部分置換」の場合、体に入れる人工関節の部品の数が少なく、部品のサイズも小さいので、手術時に切開する範囲は狭くなります。また靭帯を残すことができるので、全置換に比べると膝の可動域を保つことができます。
術後に気をつけることは人工膝関節置換術の術後には、極力膝関節に負担がかからないよう注意することです。
胡坐や正座、下位更衣は座ってする、術側の足に体重を掛けすぎない、自転車を踏み込まない、重いものを持たないなど注意が必要です。
術後のリハビリは痛みの様子を確認しながら関節の曲げ伸ばしや少しずつ筋肉を使う運動も行い、術後1週間までに歩行器や杖歩行をおこないます。徐々に筋力を回復させ人口膝関節に対する負荷を軽減させていき膝を安定させることが重要です。
慢性期になるとほぼ生活動作は自立されることが多いですが、疼痛が無くならない方もいらっしゃいます。
また筋力低下に気をつけ適度な運動や歩行を継続することも大事になってきます。