一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 「台湾で実感した、商品開発における成功の近道」

先日、台湾を訪れる機会がありました。久しぶりの海外渡航でしたが、現地で改めて感じたのは、台湾は日本以上に都会的で、生活の利便性や商品の展開力において進んでいるということです。コンビニやスーパーに並ぶ商品は洗練され、パッケージデザインや品質管理も徹底されており、国全体が消費者志向であると強く感じました。

この環境の中で日本の商品を販売していくとすれば、単に「美味しい」というだけでは不十分です。競合に埋もれないためには、デザイン性・ブランド力・品質の一貫性が不可欠であり、これらを兼ね備えて初めて消費者に選ばれるのだと実感しました。

一方で、日本国内の商品開発に関わっていると「できるだけ幅広い層に売りたい」とターゲットを絞らない事業者が少なくありません。しかし、曖昧なターゲティングは結果的に商品価値を伝えきれず、販路拡大の妨げになります。海外市場であればなおさら、「誰に届けたいのか」を明確に定義することが競争力につながります。

今回同行した農家さんの事例は、その点を象徴していました。彼は「最初からギフト市場に特化し、品質・味・見た目に徹底的にこだわった」といいます。その結果、無理に営業をせずとも評価され、着実に販路を拡大することに成功しました。時間はかかったものの、正攻法こそが最も効率的な道だったと語っていました。

この体験を通じて私が得た結論は、商品開発においては「狭く深く」戦略を取ることが成長の近道であるということです。特に海外展開を視野に入れるのであれば、美味しさに加え、デザインと品質を磨き上げ、ターゲットを明確に絞る。その積み重ねこそが、国内外で選ばれるブランドをつくる最短ルートだと確信しました。


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