スポーツドリンクは水分補給に便利ですが、歯にとっては大きなリスクを伴います。まず糖分が多く含まれており、口腔内に長く残ると細菌がそれを分解して酸を産生します。その酸によって歯のエナメル質が溶け、虫歯の原因となります。さらにスポーツドリンク自体が酸性であるため、飲んだ直後から口の中が酸性環境に傾き、歯の表面がやわらかくなりやすい状態になります。運動後に繰り返し少しずつ飲む習慣は、歯を酸にさらす時間を長くし、特に虫歯リスクを高めます。
夏の間は発汗が多く、日常的にスポーツドリンクを飲む人が増えるため、秋になると「スポーツドリンク虫歯」が目立つのです。予防のためには、水やお茶を中心に水分補給を行い、スポーツドリンクはできるだけ避けるべきです。もしどうしても必要であれば砂糖の入ってないものがよいです。麦茶に塩を振るだけでもよいのです。
娘の学校では夏の暑い日や部活に水筒にスポーツドリンク可というプリントをもらいますが、歯科の観点からしたらこんな恐ろしいことはありません。はえたての柔らかい永久歯に砂糖水をずっと晒すのですから。
お子さんがよくスポーツドリンクを飲まれているなら、ちゃんと歯科で虫歯のチェックをされることをお勧めします。