引き続き、③成長期(独立後)です。
前回に続き、一般に法人化を考えるタイミングと言われている以下について、私がどう考えたかについて説明してきます。
1.売上が1,000万円を超えたあたり
2.利益が900万程度を越えたあたり
今回は2についてです。
利益が900万を超え始めるとどうなるのか。それは所得税率がドカッと上がるタイミングです。税率は10%上がって33%になります。一方、法人では、利益が800万円以下は15%、それ以上は23.2%となります。圧倒的に法人税の方が税率が低いので、この情報だけ見ると法人化した方がお得な気がします。
ただ、実際に法人化を考えていくと、法人には法人税以外に、個人にはない税目があり納税義務があるものもあります。例えば、法人住民税です。また、法人化すると税理士さんも必須であるでしょうし、さらに社会保険の加入義務が発生しますので、その負担が増加していきます。役員報酬をいくらに設定するかによっても変わってきますが、実質的には35~37%の税率であると言われます。
私の試算にによると、利益をギリギリまで役員報酬で支払うと社会保険料が大幅に増加し、法人化しても手元に残る可処分所得はさほど変わりません(場合によっては減る)。逆に、役員報酬を切り詰めて社会保険料が極端に増えないあたりで抑えると、支払う税金としてはトータルで下がっていくという形です。
役員報酬を下げすぎると自分自身の可処分所得が減ってしまうので、手元資金が潤沢にある場合に限られます。
では、仮に可処分所得が減っても構わないとした場合、役員報酬を切り詰めて、トータルで節税したその残りのお金はどうなるのでしょうか。
次回、残りのお金の扱いについて説明していきたいと思います。