一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

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【安倍総理とトランプ大統領】❸

安倍総理がトランプ大統領に協力を要請した事案として、拉致問題がある。

この件を初めてトランプ大統領に説明したとき、非常に驚かれた。一緒に聞いていたボルトン大統領補佐官は、顔を紅潮させて怒りに震えていたと言う。

そして、米朝首脳会談では必ず拉致問題に触れた。安倍総理は、事前に訪米して、わざわざトランプに念を押しに行った。「シンゾー、拉致について必ず話す。必ずだ」と強く約束していた。

そして金正恩に、「経済援助をアメリカはしない。日本がするんだ。その日本は、拉致問題を解決しないと協力はしないぞ」と迫る。金正恩は、「分かっている」と答えた。

残念ながら、三度の米朝会談は決裂したが、帰りのエアフォースワンから安倍総理に電話をかけ、「決裂はしたが、拉致問題についてはしっかり話してあるから」と伝えてきたという。

また、トランプ大統領は、拉致被害者家族とも会っている。オバマ大統領も会ってはいるが、向き合い姿勢が大きく異なっていた。

オバマ大統領は、話を早く終わらせるために、被害者家族が高齢であるにも関わらず、わざとイスを片付けさせて、立ち話形式にした。

これに対してトランプ大統領、「しっかり話を聞きたいから」と着席にしてじっくり耳を傾けた。さらに、予定の時間になってしまい、家族の一人が「話し足りないことを手紙にしてお渡ししておきました。どうかお読みください」と伝えると、スタッフに向かい「手紙を受け取ったのは誰だ?」訊ねる。

スタッフの一人が差し出すと、被害者家族に向かい、「スタッフに渡しても私のところには渡らないんだ。必ず読みますよ」と伝え、後日、直筆の返事を送ってきた。

このようなトランプ大統領との親密な関係について、投資家ジョージ・ソロスが安倍総理に苦言を呈することがあった。

「そんなにトランプと仲良くしたら、いろんな批判を受けることになりますよ」

これに対して安倍総理は、

「トランプを選んだのはあなたたちでしょう。私たちではない。米国は日本にとって最大の同盟国だ。同盟国のリーダーと日本の首相が親しくするのは、当然の義務です」

このようなトランプ大統領との関係もあり、安倍総理による新たな世界の枠組み作りは進んでいく。

壮大な中国包囲網、自由で開かれたインド太平洋戦略である。

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