IT業界で避けて通れないのが工数見積もり。要件を聞いた直後は「まあこのくらいですね」と余裕を持って出したはずなのに、なぜか提出段階で数字が削られている。「もう少し短くならない?」「他社はもっと早いらしくて」といった魔法の言葉で、根拠のある見積もりが“希望的観測”に変換される。そして始まる開発。仕様の抜け、想定外の制約、確認待ちの時間が積み重なり、結局スケジュールはギリギリ。最後は気合と残業で帳尻を合わせ、「やればできる」という誤った成功体験だけが残る。これが次の見積もりをさらに苦しめることになるのだ。