https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1346K0T10C26A1000000/
先日、インターネットが世界中で有線によって繋がっていることに驚かれた出来事があった。
ちょうど関連したニュース記事を見つけたので取り上げてみようと思う。
現代では街中や飲食店にも無料Wifiスポットがあり、スマホでBluetoothイヤホンを繋ごうとすれば他人のデバイスが大量に表示される。
自宅PCのインターネット接続にも有線接続ではなく無線で、という人が多いのではないだろうか。
そのため、普段はあまり有線を意識しないのも無理はないが、その陰には技術者達の不断の努力があることは知っておくべきだと思う。
インターネットの初期設定時を思い起こして頂ければ、光回線を部屋に通し、モデムやルーターを介してお持ちのPCやスマホと設定したことがあるはずだ。
しかし、部屋の外の光回線の行先がどうなっているかを考えたことがあるだろうか。
自宅から出た光回線は近くの電柱で束ねられ、最寄りの地域局舎に集められる。
集められた回線は局舎で伝送装置に接続され、局舎間を繋ぐ集約網に切り替わる。
集約網の向かう先はコア局で、国内のコア局同士を繋ぐ基幹通信網に更に切り替わる。
ここが国内の各拠点間全体の超大容量(※)の情報を常にやり取りする回線ということになる。
(※)100〜800Gbps級の容量の回線を複数束ねてさらに大容量で運用されている。
国内のコア局同士を繋ぐ基幹通信網が最終的に向かう先は外国、例えばアメリカのデータセンターだ。
その国際線となる通信網に切り替えるために、通信事業者の基幹通信網はインターネット相互接続点(IX:Internet Exchange)に接続する。
ここはISPやプロバイダー、事業者間で相互接続し、データの流れ(トラフィック)を最短距離にまとめることで低コスト、高速で通信できるようにする拠点だ。
国内通信に限れば、事業者間でトラフィックが交差・集約される主要な接続点がIXである。
一方で、海外のデータセンターに向かう通信は、IXの先にある国際通信網へと進むことになる。
ここでようやく記事に出てくる国際海底ケーブルの出番というわけだ。
ご存じ日本は島国であり、アメリカまで約1万㎞彼方までケーブルを繋いでいる。
1万㎞先のアメリカ西海岸で陸上に出たケーブルは、アメリカ側のIXを通し、基幹通信網や集約網を通してデータセンターに接続される。
光の速度で流れるデータの動きを、書いているだけでも気が遠くなることだが、引用記事の通り、NTTデータグループと住友商事は2029年度運用を目指してケーブルを新たに敷設するとのこと。
回線ケーブルが物理的に増えれば増えるほど、やり取りするデータ量の余裕ができ、インターネット環境としては快適になる。
直近ではAIの進歩により通信量の増加が見込まれているが、それでも普段インターネット環境が遅い、重いと感じることはほとんどないはずだ。
そんな私たちの快適なインターネット環境は、実はこのように物理的に成立しており、ひいては技術者の皆様の陰の努力で成り立っているのだ。
ちなみに最初に海底ケーブルによって大陸間で通信接続したのは19世紀にまで遡るなど面白い歴史はあるのだが、それはまた次回に取っておこう。
以下記事引用。
NTTデータグループは13日、住友商事などと共同で国際海底ケーブルの運営会社を設立したと発表した。日本とアジアを結ぶ海底ケーブルを新設して2029年度初頭に運用を始める。総事業費は1500億円規模を見込む。急増するアジア圏のデジタル需要を取り込み、日本の災害耐性の向上や国際通信の競争力強化にもつなげる。
NTTデータG傘下のNTTリミテッド・ジャパン(東京・千代田)と住友商事、JA三井リースが新会社「イントラアジア・マリン・ネットワークス」を設立した。
同社が日本と韓国、マレーシア、シンガポールを全長約8100キロメートルの海底ケーブルで結ぶ。データ伝送容量はアジア最大級の毎秒約320テラビットを確保する。将来はフィリピンや台湾などに経路を分岐させて接続できる設計とする。各国の通信会社や世界のテック大手の需要を狙う。