一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 勘定科目残高確認と基幹システムの関係性

前提

勘定科目残高確認は、取引先などの債権・債務残高が「本当にその金額で合っているか」を第三者に確認してもらう手続きです。一方、基幹システムは販売・購買・在庫・会計などのデータを一元管理する「業務の土台」となるシステムです。

この二つは次のような流れでつながります。

関係性の全体像

基幹システム → 会計データ

基幹システムで登録された以下のような情報が、仕訳として会計システムに連携されます。

  • 売上・請求データ → 売掛金や受取手形などの残高
  • 仕入・支払データ → 買掛金や支払手形などの残高
  • 在庫や固定資産の管理 → 棚卸資産や固定資産の残高

この連携により、総勘定元帳や補助元帳の勘定科目残高が形成されます。

会計データ → 残高確認対象の抽出

勘定科目残高確認を行う際には、会計システム上の残高を基に、確認すべき相手先や金額を抽出します。

  • 売掛金・買掛金の補助元帳から、取引先別の残高一覧を出力
  • 期末日現在残高を基に、確認状や残高確認書の送付先と金額を決定

ここで使う残高は、基幹システムから連携された情報が前提になっています。

残高確認の結果 → 基幹・会計へのフィードバック

残高確認の回答結果に差異があれば、その原因を調査し、必要に応じてシステム側に反映します。

  • 計上漏れや二重計上があれば、会計仕訳を修正
  • マスタや取引条件の設定ミスがあれば、基幹システムの設定を修正
  • 締め日や入金・支払条件の認識違いなら、運用ルールの見直し

このように、勘定科目残高確認は「基幹システムで動いている業務プロセスと会計データが整合しているか」をチェックする役割も持っています。

実務上のポイント

基幹システム側で重要になること

  • 取引の起票・承認フローが適切に設計されているか
  • 売掛金・買掛金などの補助科目や取引先マスタが正しく維持されているか
  • 会計システムへの連携タイミングやインターフェースが明確か

これらが乱れていると、残高確認をしても「そもそもシステムの数字自体が怪しい」という状態になってしまいます。

残高確認でわかる「基幹システムのクセ」

勘定科目残高確認を通じて、次のような基幹システムの課題が見つかることがあります。

  • 売上計上日と請求日、入金日とのズレが大きい
  • 取引先単位の締め処理ルールが運用されていない
  • キャンセルや返品処理が適切に会計に反映されていない

こうしたギャップは、基幹システムの設計や運用ルールを見直すきっかけになります。

まとめ

勘定科目残高確認は、単に決算の手続きというだけでなく、
基幹システムから会計へ連携されたデータと、実際の取引先との認識が一致しているかを確認する「橋渡し」の役割を持ちます。

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鈴木 里奈

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