個人事業主が押さえるべき「安全なネットワーク環境」の構築ポイント
テレワークやクラウドサービスの普及により、個人事業主でもインターネットを前提とした業務環境が当たり前になりました。一方で、ネットワークの設定不備や管理不足を狙ったサイバー攻撃も増加しています。ウイルス対策ソフトと並んで重要なのが、安全なネットワーク環境の構築です。ここでは、専門知識がなくても実践できる対策を中心に解説します。
■ なぜネットワーク対策が必要なのか
1. Wi-Fiの設定不備は侵入口になる
自宅や小規模オフィスで使われるWi-Fiは、設定が甘いと第三者に不正利用される危険があります。不正アクセスにより、通信内容の盗聴や、業務端末への侵入を許す可能性があります。
2. 情報漏えいは「通信経路」から起こる
メールやクラウドサービスのログイン情報は、ネットワーク経由で送受信されています。暗号化されていない通信や、公共Wi-Fiの利用は、ID・パスワードの漏えいにつながりやすく、なりすまし被害の原因となります。
3. 取引先からの信頼にも影響
近年は、取引先から「セキュリティ対策状況」の確認を求められることも珍しくありません。ネットワークの安全性を確保することは、事業者としての信頼性を高める要素でもあります。
■ 個人事業主が実践すべき基本対策
1. ルーターの初期設定を必ず変更する
市販ルーターは、初期状態のままだと管理IDやパスワードが推測されやすく危険です。
管理画面のID・パスワードを変更
Wi-FiのSSID(ネットワーク名)を初期名から変更
強固なパスワード(英数字+記号、12文字以上)を設定
これだけでも、不正侵入のリスクは大きく下がります。
2. Wi-Fi暗号化方式は「WPA3」または「WPA2」を使用
暗号化方式が古い「WEP」は非常に危険です。必ず、“WPA3(推奨)”
対応していない場合は “WPA2-AES”
を選択しましょう。設定画面で確認・変更が可能です。
3. 業務用と私用のネットワークを分ける
可能であれば、業務用PC・スマートフォン、家族のスマホやスマート家電
を同じネットワークに接続しないことが理想です。ゲスト用Wi-Fi機能を使えば、業務データへの影響を抑えられます。
■ 外出先・テレワーク時の注意点
1. 公共Wi-Fiの安易な利用は避ける
カフェや駅の無料Wi-Fiは便利ですが、通信が盗聴されるリスクがあります。やむを得ず使う場合は、重要なログイン操作は行わない、VPNサービスを併用する
といった対策が必須です。
2. VPNの活用
VPNは通信を暗号化し、安全なトンネルを作る仕組みです。最近はウイルス対策ソフトにVPN機能が付属しているものもあり、個人事業主でも手軽に導入できます。
■ ネットワーク機器の管理も重要
ルーターや中継器のファームウェアを定期更新、不要になった機器は接続解除、接続端末一覧を定期的に確認
これらを怠ると、知らない端末がネットワークに侵入しているケースもあります。
■ セキュリティは「仕組み+意識」で守る
どれだけネットワークを強化しても、不審なメールのリンクをクリック、怪しいソフトをインストール、といった行為があれば意味がありません。ネットワーク対策は、ウイルス対策ソフトやOS更新、利用者の意識とセットで機能するものです。
■WPA3
WPA3とは2018年6月にWi-Fiアライアンスが発表した、無線LANのセキュリティを強固にした新しいプロトコルです。Wi-Fiのアクセスポイントなどを刷新する場合、対応した製品を導入するようにしましょう。
■ まとめ
安全なネットワーク環境の構築は、専門業者に依頼しなくても、個人事業主自身で実施できる対策が数多くあります。
・ルーター設定の見直し
・Wi-Fi暗号化の強化
・公共Wi-Fi利用時の注意
これらはすべて、事業を守るための基礎インフラです。ネットワークの安全性を確保することで、情報漏えいや業務停止のリスクを下げ、安心してビジネスに集中できる環境を整えましょう。
2026.02.11