正直に言えば、インフルエンザにかかって初めて「農家は簡単には休めない仕事だ」と痛感した。高熱で体は重く、立っているのもつらい。それでもハウスの中では苺が日々色づき、収穫のタイミングを逃せば品質はすぐに落ちてしまう。天候や市場は待ってくれないし、作物も止まってくれない。会社員のように「数日休みます」と簡単には言えない現実がある。
今は両親が現場を支えてくれているが、年齢を考えればいつまでも頼るわけにはいかない。パートさんや特定技能の外国人スタッフ、そして自分だけで回せる体制を築かなければ、同じことが起きたときに立ち行かなくなる。不測の事態は、いつも突然やってくる。
今回の経験で強く感じたのは、「人に任せられる仕組み」を作ることの重要性だ。作業のマニュアル化、写真や数値を使った基準の明確化、日々の情報共有。誰が見ても分かる形にしておくことが、現場の安心につながる。また、リーダーを育て、判断を委ねられる人材を育成することも欠かせない。
自分が動けなくても現場が止まらない。そんな経営体制を作ることが、家族を守り、スタッフを守り、作物を守ることにつながる。今回のインフルエンザはつらい経験だったが、農業経営を一段引き上げるための大きな気づきでもあった。