春先のいちごハウスは、冬とはまた違った緊張感に包まれます。厳寒期を乗り越えた株は勢いを増し、気温の上昇とともに花の展開や果実の肥大が一気に進みます。収穫量が増える喜びがある一方で、管理の難しさもぐっと高まる時期です。
特に春は日中のハウス内温度が急激に上がりやすく、換気のタイミングが収量や品質を左右します。朝は寒く、昼は一気に暖かくなるため、少しの判断の遅れが果実の軟化や株の疲れにつながることもあります。また、暖かくなることでハダニやアザミウマなどの害虫も動き始め、日々の観察が欠かせません。
さらに、春は出荷のピークでもあります。収穫量が増えるため、作業の段取りや人手の確保も重要になります。いかに効率よく収穫・パック詰めを進めるかが、忙しい毎日の中での大きな課題です。
こうした忙しさの中でも、赤く色づいたいちごがハウス一面に広がる景色を見ると、冬から続く努力が実を結んでいることを実感します。春のいちご作りは、まさに収穫の喜びと管理の難しさが同居する季節です。自然の変化に寄り添いながら、一粒一粒を大切に育てていくことが、この時期のいちご農家の大切な仕事だと感じています。